こんにちは、管理人です。前回のブログはいかがでしたでしょうか。
夏の暑い日に、清涼感を求めて麦茶をグラスに注いで氷を浮かべ、乾いたのどを潤す。あるいは、冬の寒い日に、冷え切った体を温めるためにホットレモンを透明なグラスに注いで、手に温もりを感じながらゆっくりと味わう。
シチュエーションによって冷たい飲み物だったり、温かい飲み物だったりと、注ぐ温度が変わってきますが、急激な温度変化によりグラスが割れてしまうことがあります。
なぜ割れてしまうのかというと、ガラスの熱割れには熱伝導率と熱膨張が深く関係しています。
グラスに熱い飲み物を注いで温度が上昇すると、物体の長さや体積が増加する熱膨張現象が起こります。ガラスは熱が伝わりにくい素材なので、熱が伝わらない部分はそのままになるので、境目に歪みが生まれることで熱割れを起こしてしまうという仕組みです。
温度差以外にも、高い所から落としたりぶつけたりしたときの衝撃など、割れる原因を少しでもやわらげようとしてできたのが、「耐熱ガラス」と「強化ガラス」です。
一般的に多く使われているソーダガラスがつくられる工程に、熱に強い原料として硼酸などを加えたり、衝撃に強い処理加工の全面物理強化、口部強化などを施したものになります。
言葉の響きからか、どちらも強くて丈夫という印象を持たれる方が多いと思います。ただそれぞれ特性も違うので、正しく理解して、扱い方にはくれぐれも注意しましょう。
耐熱ガラス
耐熱ガラスは熱膨張率が低く、高い温度になっても膨張しにくいガラスです。
「耐熱ガラス」には硼珪(ほうけい)酸ガラス、超耐熱ガラス(ガラスセラミックス)、アルミナ珪酸ガラスがあります。一部分だけを熱して温度差ができたとしても部分的に大きさが変わることはありません。これらのガラスは電子レンジ、オーブンで使用することができます。
熱による膨張率を小さくして割れにくくしたものではありますが限度はあります。どんな熱源や温度にも対応するものではありませんので、くれぐれもご注意ください。
強化ガラス
成形後、熱処理などによって衝撃に強くしたガラスが「強化ガラス」です。一般的に全面物理強化と口部強化という加工方法があります。
タンブラーや細足グラスは、口の部分を強化した口部強化が主流です。強化ガラスのコップ類は、大部分がソーダガラス製コップを強化したものです。
全面物理強化は、加熱急冷によってグラスの表面に圧縮応力を発生させて、表面全体を強化する方法。口部強化は、加熱急冷によってグラス表面に圧縮応力を発生させて、口部の強化のみを行う方法です。
衝撃に強いので、日常で気楽に使えるグラスという魅力があります。
しかし、強化ガラスは、面の衝撃には強いものの、点の衝撃には弱いという性質があります。割れると細かい粒状になり、普通のガラスほど鋭利な破片にはなりません。表面に小さな傷などが見つかった場合は、使用を控えるなど特性を理解した上で扱うことが重要です。
まとめ
「耐熱ガラス」と「強化ガラス」は割れにくいだけで、割れないわけではありません。やや熱に強い、やや衝撃に強いぐらいの気持ちで、他のガラス食器同様に丁寧に扱ってくださいね。
明日はスタッフNさんのブログです。
また明日お会いしましょう。
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