「ステンレス包丁の研ぎ方が知りたい」と考えていませんか?
錆びにくく使いやすいステンレス包丁も、長く使っていると切れ味が落ちてきてしまうものですが、実際に研ぐのは難しいですよね。
そこで本記事ではステンレス包丁の研ぎ方について紹介していきます。
ステンレス包丁を研ぐうえで知っておきたいことについても紹介するので、ぜひご覧ください。
ステンレス包丁を研ぐうえで知っておきたいこと

まずはステンレス包丁を研ぐうえで知っておきたいことについて紹介していきます。
今回紹介するのは以下の通りです。
- 素材によって研ぎ方は変わらない
- ステンレス包丁のメリット・デメリット
- ステンレス包丁が研ぎにくい理由
- 研ぐ頻度は1~2ヶ月に1回
- 砥石とシャープナーの違い
では1つずつ見ていきましょう。
素材によって研ぎ方は変わらない
まずステンレス素材の包丁だからと言って研ぎ方自体に他包丁との違いはありません。
全ての包丁において、研ぎ方は基本的に一定です。
ただし研ぐ頻度や気をつけたいポイントは異なるため、本記事では研ぎ方は紹介しつつも、注意すべき点について詳しく紹介していきます。
ステンレス包丁のメリット・デメリット
ステンレス包丁を研ぐうえで、ステンレス素材のメリット・デメリットを知っておく必要があります。
そこでメリット・デメリットに分けて解説していくので、早速見ていきましょう。
メリット:錆に強い・刃こぼれしにくい
ステンレス包丁の最大のメリットとも言えるのは、錆に強いことです。
ステンレスは酸化皮膜をまとった金属であるため、鋼包丁に比べて錆びにくくなっています。
酸化皮膜とは、ステンレスが含んでいるクロムという元素が鉄よりも酸素に反応しやすく、先に結合することによって錆から守ってくれるものです。
そもそも錆とは、酸素と鉄が反応して結合することによって生まれるため、鉄よりも先にクロムと結合することで、ステンレス自体が錆びにくくなりました。
また同じ錆に強いセラミック包丁に比べてしなやかなため、刃こぼれしにくいこともメリットの1つです。
総合的に見て、家庭用などでは最も使いやすい素材と言っても過言ではないでしょう。
デメリット:研ぎにくい
ステンレス包丁のデメリットは研ぎにくいことです。
メリットでも記載した通り、ステンレス鋼はクロムを含んでおり、加えてモリブデンやバナジウムといった錆びにくい成分も配合されていることが多くあります。
様々な物質が含まれていることや錆に強い物質が多く含まれていると、鋼包丁に比べ刃物の表面がコーティングされているようになっているため滑りやすく、結果として研ぎにくくなることが理由です。
研ぐ頻度は1~2ヶ月に1回
ステンレス包丁は研ぎにくい包丁ですが、全く研がなくても良いわけではありません。
錆に強く、しなやかな刃を持っているため刀持ちも良いことから1~2ヶ月に1回の研磨で十分です。
包丁の使用頻度や扱い方によっても、研ぐ頻度は変化します。
家庭用包丁の研ぐ目安としては、切れ味が悪くなってきたと感じる頃で良いでしょう。
砥石とシャープナーの違い
包丁を研ぐにあたって砥石とシャープナーという2種類の道具で迷う方もいらっしゃるでしょう。
砥石とは、表面がざらざらとした硬い石のことです。
包丁を寝かせて砥石の上で滑らせることによって、切れ味が良くなります。
対してシャープナーは、研ぎ器の窪みに包丁を置いて数十回引くだけで研磨が完了するものです。
それぞれの違いをまとめた表は以下の通りです。
道具 | 切れ味の持続性 | ダメージの無さ | 研磨時間 |
---|---|---|---|
砥石 | ◯ | ◯ | △ |
シャープナー | △ | △ | ◯ |
基本的には砥石を使った方が切れ味も長持ちし、刃への負担も少ないためおすすめです。
ただし砥石を使うと一回で1時間近くかかったり、慣れるまでは難しかったりするデメリットがあります。
対してシャープナーは5~10分で研ぐことができる点は魅力的ですが、刃の先端をえぐっているだけなのですぐに切れ味は戻ってしまうだけでなく、刃こぼれの原因にもなる点には注意が必要です。
ステンレス包丁だから砥石が良い、シャープナーが良いということはありませんが、なるべく砥石を使って研磨することをおすすめします。
また砥石について詳しく知りたい方は「【厳選】包丁向けの砥石おすすめ人気20選!選び方も徹底解説」も合わせてご覧ください。

ステンレス包丁の研ぎ方

ここからはステンレス包丁の研ぎ方について紹介していきます。
今回は砥石を使った方法とシャープナーを使った方法の2種類を解説するので、気になる方からご覧ください。
砥石を使った方法
まずは砥石を使ったステンレス包丁の研ぎ方を紹介していきます。
両刃包丁の場合の手順は以下の通りです。
- 砥石を水に10~15分浸す
- 砥石に対して包丁を45度の角度に置き、刃を砥石から15度ほど浮かせて設置する
- そのまま押すときに力を入れ、引く時に力を抜いて4~5箇所に分けて10回ほど研ぐ
- 裏面をさわって”バリ”があるか確認し表は完了
- 裏面を1と同じようにセットし、表とは反対に押す時に力を抜き、引く時に力を入れる
- 4~5箇所に分けて10回ほど研いだら、バリを確認
- 最後に粗い紙でバリを取ったら終了
片刃のステンレス包丁の場合は、②にて刃を砥石から15度ではなく、10円玉2枚分くらい浮かせましょう。
両刃包丁の場合は両面に刃を付ける必要があるため、より角度をつけなければいけないことが片刃、両刃の研ぐときの角度の違いとなっています。
またステンレス包丁を研ぐ際は、特に④と⑥にあるバリの確認をしっかりと行ってください。
かえりとも言われるバリは、包丁を上手に研磨できた際に削られた刃の塊が、反対の面にできるものです。
ステンレス包丁は表面が滑りやすく研ぎにくいですが、バリが発生していれば問題なく研げた証拠なので、片面研ぎ終えた後には確認しましょう。
また、より詳しい解説は「【初心者必見】包丁の正しい研ぎ方を紹介!長持ちさせる方法も解説!」をご覧ください。

シャープナーを使った方法
シャープナーを使った研磨の手順は以下の通りです。
- シャープナーに水を貯める
- 荒い目で10回引きながら研ぐ
- 仕上げ目で5回引きながら研ぐ
シャープナーの場合は非常にシンプルで、窪みに包丁を入れて引くだけで研げます。
しかし、簡単な道具のため怪我をしやすいとも言われており、特に包丁を引き切る際に机に刃をぶつけたり、怪我してしまったりしないように注意しましょう。
シャープナーの詳しい説明は「シャープナーを使った包丁の研ぎ方を完全解説!おすすめ商品3選も紹介」をご覧ください。

ステンレス包丁の研ぎ方でよくある疑問

ここからはステンレス包丁の研ぎ方でよくある疑問について解消していきます。
今回紹介する疑問は以下の通りです。
- 素材によって研ぎ方に違いはあるの?
- ステンレス包丁に適した砥石は?
- 研ぐ以外で包丁を長持ちさせる方法は?
では1つずつ見ていきましょう。
素材によって研ぎ方に違いはあるの?
冒頭にも記述した通り、包丁の素材ごとによる研ぎ方の違いはありません。
鋼包丁でもステンレス包丁でも、研ぎ方自体は同じ手順で行えます。
ただセラミック包丁の場合は、研ぎ方は同じもののダイヤモンド砥石を使用する必要があります。
ダイヤモンド砥石とは、非常に硬く研磨力のある砥石で、硬く滑りやすいセラミック包丁でも研ぐことが可能です。
ダイヤモンド砥石について知りたい方は「【2023年】人気のダイヤモンド砥石おすすめ13選!選び方も紹介」をご覧ください。
ステンレス包丁に適した砥石は?
どのような砥石でもステンレス包丁を研ぐことができます。
ただステンレス包丁は柔らかく粘り強い性質を持つことから、硬い砥石だと傷付いたり負担がかかったりするため、柔らかい砥石を選ぶと良いでしょう。
柔らかい砥石にも様々ありますが、一般的な砥石の中でもレジノイド製法やマグネシア製法のものがおすすめです。
ちなみに砥石の製法には大きく分けて3種類あり、それぞれの特徴が以下の通りとなっています。
種類 | 特徴 |
---|---|
ビトリファイド製法 | 高温で焼き固めるため結合力が高く、粒子が硬い |
レジノイド製法 | 熱硬化性樹脂を使い低温で固める |
マグネシア製法 | マグネシアセメントを用いて固める |
ビトリファイド製法が最も硬く研磨力に優れていますが、その分刃への負荷が強いです。
またダイヤモンド砥石のように強すぎる研磨力を持つ砥石はステンレス包丁にあまり向いてないと言えます。
そのためレジノイドやマグネシア製法の砥石を優先的にチェックしてみてください。
研ぐ以外で包丁を長持ちさせる方法は?
包丁を長持ちさせるには、以下の方法がおすすめです。
- 直火で炙らない
- 冷凍した食材のように硬いものは切らない
- 食洗機や漂白剤を使わない
- まな板は木材だと良い
注意してほしいのは食洗機の利用です。
ステンレス包丁は錆に強いという理由から「食洗機も問題ないのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、錆びてしまう可能性もあったり、包丁自体に負荷をかけてしまったりするため避けましょう。
特に多いのは食洗機の利用後に、ステンレス包丁を食洗機内に放置してしまうことです。
錆に強いステンレス包丁であっても、湿度の高い食洗機内に長時間放置されると錆びてしまいます。
錆びにくいからとって、雑に扱わないようにしてください。
ステンレス包丁の研ぎ方を押さえて実践してみよう!

いかがでしたでしょうか。
本記事の要点をまとめる以下の通りです。
- ステンレスや鋼など素材による研ぎ方の違いは無い
- ステンレス包丁は研ぎにくいためバリの確認は注意して行うと良い
- 砥石はマグネシア製法やレジノイド製法のものが理想的
ステンレス包丁特有の研ぎ方はありませんが、研ぎにくい素材だからこそ注意すべきポイントはあります。
ぜひ本記事で解説した要点を押さえて、ステンレス包丁を研いでいきましょう。
またステンレス包丁について詳しく知りたい方は「ステンレス包丁のおすすめ人気17選!お手入れや研ぎ方もご紹介」を合わせてご覧ください。

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