カトラリーとは、ナイフやフォークなどの食器の総称です。
レストランでどれから使えばよいのか迷った経験はありませんか?
そこで本記事ではカトラリーに焦点をあて、その歴史や正しい使い方などを紹介します。
興味のある方はぜひ参考にしてください。
カトラリーとは?
カトラリーとは、スプーン、フォーク、ナイフなど、主に洋食の料理を食べる時に使う道具のことを指します。
小さいながらも存在感があり、カトラリー1つでテーブルの雰囲気をがらっと変えられます。
そんなテーブルの名脇役であるカトラリーは、フレンチやイタリアンなどのコース料理ともなると、たくさんの形状・種類のものが登場します。
ナイフやフォークの持ち方からはじまり、なにをどの料理に使うのか、食べ終わったらどこに置くのか、慣れていないとよく知らない場合もあるでしょう。
そうした知識・マナーを身につけることで、本格的なレストランでも美味しい料理を気兼ねなく楽しめます。
カトラリーの歴史
洋食には欠かせない道具、カトラリーは、いまから約200年以上前の19世紀頃に初めてセットで出されるようになったとされています。
中でも、11世紀頃の西欧で最初に食事用として使われたのはフォークです。
しかし「神様からの授かりものである食べ物は手で食べるもの」という宗教の教えから、なかなか浸透しなかったといいます。
最初に食卓に定着したのはナイフ
カトラリーの中で、最初に食事をするために使われたのはフォークでしたが、もっとも早くテーブルに定着したのは「ナイフ」でした。
ただ、12世紀頃の当初は、個人的に使用するのではなく、テーブルに置かれた大きな肉を切り分けるため1本だけ用意されるスタイルでした。
そして、15〜16世紀頃になってから1人1人がナイフを使うようになったとされています。
銀のスプーンは幸運のお守り
一方、スプーンが食事用として登場したのは14〜15世紀頃で、上流階級の貴族たちだけがスープを飲むために使用していました。
庶民にまで広まったのは17〜18世紀頃とされています。
また、スプーンはキリスト教とも深い繋がりがあり、子どもが生まれた時の洗礼式では、貧富の差に合わせた素材のスプーンが贈られていました。
中でも、銀のスプーンは非常に貴重で、富、健康、幸福の象徴として重宝がられていました。
カトラリーの種類
スプーン、フォーク、ナイフはカトラリーの代表格ですが、その中でもさまざまな種類があります。
ここでは、カトラリーの代表的な基本セットを挙げてみましょう。
- テーブルナイフ
- テーブルフォーク
- テーブルスプーン
- コーヒー・ティースプーン
- ケーキフォーク
レストランでのコース料理では、この基本セット以外にも料理に合わせたカトラリーが並べられます。
また、日本家庭の食卓では、上記のような欧米に合わせた「テーブルサイズ」のカトラリーは大きくて扱いづらいと感じる方も多いようです。
そのため、一回り小さなサイズの「デザートサイズ」が使われることが多くあります。
デザートサイズであっても、サラダやメインの肉料理などに問題なく便利に使えます。
自分に合った使いやすいサイズのものを選びましょう。
また、カトラリーの種類・用途について詳しく知りたい方は次の記事も参考にしてください。
カトラリーの選び方
カトラリーを購入する際には、いくつかのチェックしておきたいポイントがあります。
主なものをまとめると次のとおりです。
- 素材
- サイズ
- 口あたりの良さ
- セットがおすすめ
具体的に見ていきましょう。
1. 素材
カトラリーに使われる主な素材には、ステンレス、シルバー、木製などがあります。
3つの素材についてそれぞれの特徴を見てみましょう。
素材 | 画像 | 特徴 |
---|---|---|
ステンレス | ・もっとも一般的で広く使われている ・錆びにくく扱いやすい ・普段使いしやすい | |
シルバー | ・ヨーロッパでは縁起のよい素材とされている ・高級感がありデザイン性の高いものが多い ・口あたりが優しい ・長時間使用していないと黒く変色する | |
木製 | ・木ならではのぬくもりが感じられる ・口あたりが優しい ・熱伝導率が低いため熱いものが冷たいものが食べやすい ・水に弱くカビが発生しやすい |
素材によってそれぞれ特徴が異なってくるため、自分に合った素材を選びましょう。
2. サイズ
前半でも触れましたが、一般的にカトラリーは欧米に添った名称やサイズが使われています。
私たち日本人をはじめとしたアジア圏人と欧米人とでは、扱いやすいサイズが異なってきます。
そのため、カトラリーの名称にとらわれず、自分のニーズ・用途に合わせてサイズを選ぶことが大切です。
例えば、日常的な日本の食事用であればデザートスプーン、デザートフォーク、デザートナイフと呼ばれるものがおすすめ。
本格的なコース料理用として使用するのであればテーブルサイズのカトラリーを基準にして、自分の使いやすいサイズを選ぶと良いでしょう。
3. 口あたりの良さ
カトラリーを選ぶ際には、口あたりの良さも大切な要素です。
金気が感じられたりざらざらして口あたりが悪いと、料理の味わいを十分に楽しめません。
口あたりの良し悪しは料理の味わいを大きく左右するため、しっかりとチェックしておきたいポイントです。
例えば、有名ブランドのカトラリーは、1本1本職人の手作業により丁寧に磨かれていることが多いため、細部までなめらかで口あたりの良い仕上がりとなっています。
機械で量産されているカトラリーではなく、仕上がりにこだわった上質なものを選ぶことをおすすめします。
4. セットがおすすめ
カトラリーを選ぶ際には、スプーン、フォーク、ナイフなどの単品ずつだけでなく、セットになったものも多く販売されています。
カトラリーをテーブルコーディネートに活かすならば、やはりセット買いがおすすめです。
セットには、1組の1人用のものから5組以上のファミリー向けのものまでさまざまなものがあります。
購入する際には、普段使う人数分のものだけで良いのか、来客用の分も足しておきたいのか、よく考えて選ぶようにしましょう。
また、セットされているカトラリーの種類もさまざまです。
食事用のフォーク、ナイフ、スプーンのセットもあれば、ティースプーンやケーキフォークがセットになったティータイム用のセットなどもあり、ニーズに合わせて選べます。
種類も組数も、自分のニーズや用途に合わせて選びましょう。
また、カトラリーの並べ方について知りたい方は次の記事も参考にしてください。
カトラリーの正しい使い方・マナー
レストランでコース料理を食べる際、たくさん並べられたカトラリーを見て、どれを使ってどの料理を食べるのか迷った経験はありませんか?
そこで、ここではカトラリーの正しい使い方・マナーの基本的な部分を簡単に紹介します。
知っておくことで、カトラリーに戸惑うことなく美味しいコース料理を気兼ねなく楽しめ、さらに自宅でフルコースをおもてなしする場合にも、カトラリーを正しく美しく並べられるでしょう。
これだけは覚えておきたい、カトラリーの正しい使い方の基本をまとめると次のとおりです。
- 使う順番:外側から内側に向かって使う
- 食事中の置き方:プレートの上にフォークとナイフを八の字に置く
- ナイフの刃は内側に向け、フォークは背を上に向ける
- 食後の置き方:プレートの上にフォークとナイフを揃えて置く
- ナイフの刃は内側に向け、フォークは窪んだ側を上に向ける
カトラリーは、基本的には出てくる料理の順番に合わせて外側から使えるように並べられます。
このルールを覚えておけば、たくさんカトラリーがあっても、どれから使ってよいのかさほど迷うこともないでしょう。
また、食事を始めたらカトラリーの置き方には注意が必要です。
置き方によって、食事の途中、食事の終了など、サービスしてくださる方への意思表示となるため、しっかりと覚えて身につけておきましょう。
カトラリーの知識を身につけてスマートに食事を楽しみましょう!
いかがでしたか?
カトラリーについて、その歴史や選び方、正しい使い方・マナーなどについて解説しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- カトラリーとはスプーン、フォーク、ナイフなど、主に洋食の料理を食べる時に使う道具
- カトラリーが初めてセットで出されるようになったのは19世紀頃
- カトラリーの基本セットは「テーブルナイフ」「テーブルフォーク」「テーブルスプーン」「コーヒー・ティースプーン」「ケーキフォーク」の5点
- カトラリーを購入する際には「素材」「サイズ」「口あたりの良さ」などをチェック
- カトラリーの正しい使い方の基本として覚えておきたいことは「使う順番」や「食事中・食後の置き方」など
カトラリーについての正しい知識やマナーを身につけておくことで、食事の時間をリラックスして楽しむことができます。
ここでは、基本中の基本を紹介しましたが、他にも知っておきたいマナーがたくさんあります。
ぜひきちんとしたマナーを身につけて、レストランでの特別なシーンでもスマートに振る舞えるようにしましょう!
また、カトラリーのおすすめを知りたい方は次の記事も参考にしてください。
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