瀬戸焼は、100年を超える長い歴史を持つ焼きものです。
一般的に陶磁器の総称とされている「せともの」の名前の由来にもなっています。
本記事では、そんな瀬戸焼の魅力に迫りつつ、おすすめ人気ブランド・作家をご紹介します!
おしゃれな瀬戸焼を探している方はぜひ参考にしてください。
鮨由う 板前 上田流華
10代から飲食店に携わり、居酒屋オーナーと経営していたが、店が5年で閉店。
開業を夢に高級店の鮨屋で知識を学びたいと思いから2019年、仕込みのアルバイトとして鮨由うに入社。
朝一番に店に入り、仕込みの準備をしたり若手職人のイベントで寿司を握る。
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働く上で大切にしている事は妥協しない事、時間を見ながら仕事する事、綺麗な仕事をする事だが、1番はお客様を楽しませる事。
尾崎大将の隣に立ち、スムーズにサポートしながら裏の仕事を見つつ、自身の仕事をこなす。
瀬戸焼とは?
瀬戸焼は、愛知県瀬戸市を中心とした地域で作られている陶磁器です。
瀬戸で焼き物作りがはじまったのは、今から1000年以上も前に遡る平安時代の中期です。
2017年には「日本六古窯」として常滑焼(とこなめやき)・信楽焼(しがらきやき)・丹波焼・備前、越前焼とともに、日本遺産に認定されており、日本屈指の一大窯業地となっています。
また、陶磁器全般を指す「せともの」という言葉がありますが、これは「瀬戸焼」から生まれた言葉です。
これは、瀬戸が長い歴史を誇る焼きもの一大産地であるうえ、暮らしの中の道具としてなくてはならない食器や、芸術品をはじめ、多種多様な製品を生産してきたためでしょう。
瀬戸焼=せとものは、美濃焼・有田焼とともに「日本三大陶磁器」にも数えられ、現在においても新しい焼きものを次々と生み出しています。
瀬戸焼の魅力と特徴
日本には数多くの焼きものが存在しますが、どの焼きものにもそれぞれの特徴があります。
瀬戸焼の主な特徴・魅力をまとめてみましょう。
- 愛知県瀬戸市を中心とした地域で作られている陶磁器
- 陶器と磁器の両方が存在する
- 釉薬や絵付けによる色彩豊かな美しい焼きもの
瀬戸は、日本の中でも珍しく陶器と磁器の両方が焼かれる産地です。
鉄分の少ない原料ゆえ、焼きあがりが白くなり、釉薬や絵付けによる色彩が美しく映える焼きものです。
陶器では、国の伝統的工芸品とされる「赤津焼」に代表される釉薬を使ったデザインが特徴的でしょう。
一方、磁器では「瀬戸染付焼」に代表される呉須を使った藍色の美しい絵付けが魅力となっています。
また、世界有数ともいわれる質の良い陶土、粘土に恵まれており、そのやわらかい性質から加工がしやすいうえ、耐光性や耐火性も優秀です。
赤津焼きとは?
赤津焼は瀬戸焼の仲間です。
瀬戸焼の中でも、赤津地区で焼かれる伝統的な釉薬を使った陶器のことです。
陶器も磁器もどちらも生産している一大産地の瀬戸焼は、「本業焼」と呼ばれる陶器と「新製焼」と呼ばれる磁器に大きく分けられます。
赤津焼きは本業、つまり陶器の部類の中でも、尾張藩御用窯の流れを持つ芸術性の高い伝統的な陶器を作っています。
瀬戸焼の歴史
瀬戸焼の起源は、5世紀に現在の名古屋市・東山丘陵周辺で、須恵器の生産を行っていた猿投窯(さなげよう)だとされています。
12世紀終わりから室町時代までに作られた瀬戸焼は、古瀬戸と呼ばれています。
釉薬を施した古瀬戸は、当初は庶民には手の届かない高級品とされていました。しかし、室町時代中期になり、陶磁器の生産の拠点が岐阜県美濃地方に移り大窯での生産が始まると、日常的に使う製品が量産されるようになります。
こうした経緯から、美濃焼も瀬戸焼の流れをくむ陶器として知られているのです。
江戸時代後期からは、これまでの陶器に加えて磁器の生産がスタートしました。
これまで主流だった陶器は「本業焼」、新たに登場した磁器は「染付焼」または「新製焼」と呼ばれるようになりました。
明治に入り機械化により大量生産の時代を迎えると、万国博覧会への出品やアメリカへの輸出など、海外との交流も盛んになります。
こうして、「せともの」の名は日本のみならず、海外にも広く知られるようになったのです。
現在も、瀬戸焼は、時代の変化とともに移り変わっていくライフスタイルに対応して、お皿、マグカップなどの食器をはじめとし、自動車の部品や洗面台、浴槽など、多種多様な製品を生み出し続けています。
おしゃれでモダンな瀬戸焼のおすすめ人気ブランド・作家5選!
たくさんの作品がある瀬戸焼の中でも、おしゃれでモダンなデザインのおすすめブランド・作家を5選紹介します。
まとめると次のとおりです。
- SUIYO 穴山大輔さん・穴山文香さん
- 喜多窯 霞仙 加藤 裕重さん
- 更紗窯 長江哲男さん
- 工房楷 佐藤愛子さん
- galleryもゆ 野村晃子さん
1つずつ見ていきましょう。
1. SUIYO 穴山大輔さん・穴山文香さん
「翠窯(すいよう)」は、中国官窯(中国宮廷で用いる陶磁器を制作していた政府の窯)への強い憧れから穴山大輔さん、穴山文香さんご夫婦により、2013年に開窯されました。
2023年には10周年を迎え、「SUIYO」としてリニューアルしています。
コンセプトを‟Beyond the classic”として、師である「古典」を超えて自らを進化させ、新たな古典になることを指針として掲げています。
文香さんが絵柄を描き、大輔さんが型を彫り上げて、確かな技術と個性的なセンスで1つひとつ丁寧に共同作業されています。
陽刻 フレーム L 青磁
こちらの「陽刻」シリーズのプレートは、手描きの絵をそのまま彫った石膏型から生まれました。
スクエアは、額縁の中の絵を完成させるような感覚でおしゃれに盛り付け出来ます。
2〜3人分の料理をのせたり、サラダやメインディッシュ、パンやパスタなどをワンプレートで楽しむのもおすすめです。
西洋絵画をベースにした繊細な模様と透けるようなグリーンの美しい色合いが魅力的な一枚です。
2. 喜多窯 霞仙 加藤 裕重さん
瀬戸市赤津町にある「喜多窯 霞仙」は、現在は12代 加藤 裕重さんが当主となっており、360年以上の歴史と伝統を誇る由緒ある窯元です。
尾張徳川家の御用窯の1つ、加藤唐三郎家より分家した家祖である加藤彦九郎景久により開窯しました。
古くから受け継がれてきた伝統的な技法や釉薬、瀬戸の良質な陶土を用いて、毎日の暮らしに寄り添い、気持ち豊かに過ごせるような器を丁寧に制作しています。
フリーカップ/織部×鉄
織部×鉄釉のグラデーションが素敵なフリーカップです。
アイスでもホットでも、お茶、コーヒー、お酒などさまざまな飲み物に使えます。
釉だまりによる濃淡が味わい深く、下部の鉄釉のクールさと相まってセンスのよいバランス感を楽しめます。
しっくりと手に馴染み、手しごとのぬくもりが感じられる作品です。
3. 更紗窯 長江哲男さん
更紗窯の陶芸家・長江哲男さんは、瀬戸生まれ瀬戸育ちの生粋の瀬戸人です。
「練り込み」「練り上げ」の技法を使って生み出される珍しい作品は、繊細でありながら流動的な面白さがあります。
お皿、カップなどの食器から、花器、水指なども手掛けており、多種多様な色彩とデザインが楽しめるでしょう。
練込ぐい呑
自らも日本酒を趣味とされる長江さんならではの「ぐい呑みです」。
数種類の色のついた土を練り込むことで生地に模様を作る「練り込み」の技法で作られています。
釉薬や絵付けとは違った魅力を持つユニークな作品です。
緻密でありながらも遊び心のある表情を眺めながら、美味しいお酒を楽しんでみませんか?
4. 工房楷 佐藤愛子
2011年に開窯した工房楷の佐藤愛子さんは、ご主人の佐藤正徳さんと共に、陶磁器の器やアクセサリーを制作しています。
先ほどご紹介した長江さんと同様に「練り込み」の技法を使った個性的な作品が楽しめます。
美しい色彩と優しいフォルムが織りなす曲線の連鎖や、お菓子のようなふんわりした可愛らしさが魅力的です。
さまざまなデザインのユニークな作品を楽しめるでしょう。
桃色花器
丸みのあるフォルムが愛らしく美しい一輪挿しです。
こちらの作品は練り上げ技法は用いず、ロクロを使って制作されています。
桃色の釉薬を施した、しっとりとした艶のある質感です。
手のひらサイズで、お気に入りの花をより可愛らしく魅せてくれるでしょう。
5. galleryもゆ 野村晃子さん
陶芸作家の野村晃子さんがオーナーを務める「galleryもゆ」は、常設作家とオーナーセレクト作家の作品を紹介している古民家ギャラリーです。
野村さんの作品は、さまざまな花をモチーフにした華やかさが魅力でしょう。
白い泥で花びらを描いたり、スポイドで泥を絞り出して輪郭を描く「いっちん」という技法を使っています。
花柄ポット 新緑
紫陽花のような色彩が美しい花柄のポットです。
いっちん技法による水彩画のような透明感のある濃淡と立体感が魅力的です。
繊細で華やかな作品は、ティータイムを明るく彩ってくれるでしょう。
おしゃれな瀬戸焼を使って食卓を華やかに演出しましょう!
いかがでしたか?
おしゃれでモダンな瀬戸焼のおすすめ窯元・ブランドをご紹介してきました。
本記事で大切なポイントをまとめると次のとおりです。
- 愛知県瀬戸市を中心とした地域で作られている陶磁器
- 陶器と磁器の両方が存在する
- 釉薬や絵付けによる色彩の豊かさが楽しめる
- おすすめのブランドは「SUIYO」や「喜多窯 霞仙」など
瀬戸焼は、多種多様なデザインと作家の個性が楽しめる焼きものです。
ぜひ本記事を参考に、お気に入りの瀬戸焼を見つけて彩りのある毎日を過ごしてください!
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