南部鉄器は、日本が誇る伝統工芸品のひとつです。
なかでも、南部鉄器フライパンは食材が焦げ付きにくいうえ、旨みを逃さず調理できることから人気のアイテムとなっています。
本記事では、機能的なデザインで実用性の高いおすすめの南部鉄器フライパンをご紹介します。
BIENSUR 遅澤聡
1978年、東京都足立区生まれ職人の家系で祖父は昭和天皇陛下の印鑑つくりにも携わる。
高校生の頃、料理に興味を持ちフランス料理の教室に通い始める。
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元宮内庁大膳課司厨士長渡辺誠氏の紹介でフランス料理業界に入門。
23歳から10年間恵比寿、白金、目黒のレストランで料理長を務める。
2012年五反田、大崎に『料理教室サロン BIENSUR』開業。
南部鉄器フライパンの魅力
毎日の料理に欠かせないフライパンですが、テフロン加工などのコーティングが施されたものをお使いの方も多いのではないでしょうか。
コーティングが剥がれてしまったり焦げが落ちなくなってしまったりして、消耗品だからと買い替えた経験もあるかもしれません。
そこで、ぜひおすすめしたいのが南部鉄器のフライパンです。
南部鉄器のフライパンの魅力をまとめてみましょう。
- 焦げつきにくい
- 熱伝導性・蓄熱性に優れている
- 丈夫で長く愛用できる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
焦げつきにくい
南部鉄器のフライパンは、使い込むほどに焦げつきにくくなるのが特徴です。
溶かした鉄を「砂型」と呼ばれる特殊な流し込んで冷やし固める製法で作られていますが、その型から写しとられる細かい凸凹に調理のときの油がしみこみ、さらに加熱された空気が入りこむことで焦げつきにくくなるのです。
使えば使うほどより焦げつきにくくなるため、自分で道具を育てる感覚が味わえ、愛着を感じられるのも魅力でしょう。
熱伝導性・蓄熱性に優れている
熱伝導性がよいことも、南部鉄器のフライパンの魅力です。
厚みがあるため強火での調理にも向き、表面に粒子状の細かい穴が開いていることで、すばやく熱が通ります。
また、蓄熱性もあり冷めにくいうえ、温度のムラができにくいのもメリットでしょう。
ステーキやハンバーグなど、表面をカリッと仕上げたい時にも非常に美味しく調理でき、食材の中心が生のままということもありません。
効率よく、かつ美味しく調理できるため、ワンランク上の料理を目指す方におすすめです。
丈夫で長く愛用できる
南部鉄器のフライパンは、丈夫で長く愛用できることも大きな魅力です。
南部鉄器でできた製品は、100年にも渡って愛用できるように作られているとも言われています。
こまめに正しくお手入れをすれば一生ものの調理道具として、世代を超えて使用することができるでしょう。
南部鉄器フライパンの選び方
一生ものの南部鉄器フライパンだからこそ、自分に合ったよい逸品を選びたいものです。
とはいえ、見た目やサイズもさまざまなことから、初めての時にはどれを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。
そこで南部鉄器のフライパンを選ぶ際のコツをご紹介します。
チェックしたいポイントは次の4つです。
- サイズ
- 重さ
- IH対応か
- デザイン
1つずつ見ていきましょう。
サイズ
南部鉄器のフライパンを選ぶときは、まずはサイズをチェックしましょう。
3〜4人程度の家族であれば、直径24〜26㎝程度のものがおすすめです。
目玉焼きが4つ焼けるくらいの大きさで、肉や魚などメイン料理となる食材を一度に調理することができるため、便利に使えるでしょう。
1人暮らしやご夫婦など少人数用には、20〜22cm程度が適しています。
一度に調理する量が少ない場合や、リーズナブルに購入したい場合には、11〜18cm程度のミニパンもおすすめです。
また、南部鉄器は重さがあるため、サイズが大きければ大きいほど重くなってしまうことも頭に置きつつ、使いやすい大きさのものを選びましょう。
重さ
南部鉄器のフライパンは鉄を溶かして固めた鋳鉄製品のため、一般的なフライパンよりも厚みがあり、重さがあります。
熱伝導性がよいので、振って調理する必要はありませんが、チャーハンのような炒めものの場合などは多少振った方が調理しやすいでしょう。
そうした場合も考慮に入れるならば、重さは1.5kg程度までのフライパンにすることをおすすめします。
重いフライパンが苦手な方は、鉄の厚みができるだけ薄いものを選ぶようにしましょう。
IH対応か
IHヒーターを使って調理するのであれば、IHに対応しているかどうかも忘れずにチェックしましょう。
一般的には南部鉄器のフライパンはIH対応のものが主流ですが、そうでないものもあります。
また、あまり小さすぎるフライパンの場合、規格が合わず使用できないこともあるため、調理の際に使うIHの対応サイズをしっかりと確認しておきましょう。
デザイン
南部鉄器のフライパンは、伝統的な風情を生かしたモダンでおしゃれなデザインのものが多く、シンプルでありながら独特の存在感があります。
キッチンの空間をおしゃれに彩る見た目のよさだけでなく、機能性にもこだわったデザインを選びましょう。
蓋付きのものであれば、蒸し料理や燻製料理など調理の幅も広げることができ、さまざまな料理を楽しむことができます。
また、そのまま食卓に出せる着脱式ハンドルの南部鉄器フライパンもあります。
オーブン料理に使うこともでき、本体とハンドルを別々にしてしっかりと洗えるため、清潔に保つことができ便利です。
南部鉄器フライパンのおすすめ人気5選!シンプルモダンで実用的なデザイン
ここからは、モダンでおしゃれな南部鉄器フライパンのおすすめをご紹介します。
さきほどの選び方をもとに厳選した5選をまとめると次のとおりです。
No. | 商品名 | サイズ | 重さ | IH |
---|---|---|---|---|
1 | 岩鋳 フライパン 黒焼付 24012 | 24cm | 2.2kg | ○ |
2 | 岩鋳 オムレット 24600 | 22cm | 1.3kg | ○ |
3 | 及源 フライパン CA-10 | 15cm | 1.2kg | ○ |
4 | 及源 角玉子焼 F-141 | 13.5×17cm | 1kg | ○ |
5 | 小笠原陸兆×栗原はるみ 蓋付きミニパン | 19cm | 本体:1.2kg蓋:1kg | ○ |
1つずつ見ていきましょう。
1. 岩鋳 フライパン 黒焼付 24012
明治35年創業の「岩鋳」は、南部鉄器の伝統を守りながら、現代の暮らしに合った製品づくりに取り組んでいる南部鉄器製品の老舗店です。
こちらのフライパンは、シンプルかつ計算された使いやすいデザインが魅力です。
見た目にも実用性もこだわりたい方におすすめのフライパンでしょう。
熱源は、ガスはもちろん、IHにも対応しています。
また、調理の際に、身体に吸収されやすい二化鉄を多く含んだ鉄分が溶出するため、鉄分補給できるのも魅力です。
商品詳細
商品名 | 岩鋳 フライパン 黒焼付 24012 |
サイズ | 24cm |
重さ | 約2.2kg |
IH | ○ |
2. 岩鋳 オムレット 24600
こちらも「岩鋳」のフライパンです。
その名のとおりオムレツや卵料理を作るのに適した形状をしています。
オムレツの形を整えたり、ひっくり返したりする作業がしやすいよう、フライパンの前面がやや深めに設計されているのが特徴です。
持ち手にスリットを大きめに入れることでやや軽量に作られており、調理の負担も感じにくくなっています。
流線型の形状が美しく、デザイン性の高さも魅力でしょう。
商品詳細
商品名 | 岩鋳 オムレット 24600 |
サイズ | 22cm |
重さ | 1.3kg |
IH |
3. 及源 フライパン CA-10
1852年創業の「及源」は、南部鉄器の歴史ある伝統と職人の手仕事を大切に、新しくモダンな製品を生み出し続けている南部鉄器専門店です。
こちらは、1人用の南部鉄器フライパンをお探しの方におすすめのモデルです。
少量のおかずを調理しやすいうえ、深さもあるためスープ作りにも適しているでしょう。
さっと手軽に使えて小回りが利き、スキレットのように使える便利なフライパンです。
商品詳細
商品名 | 及源 フライパン CA-10 |
サイズ | 15cm |
重さ | 1.2kg |
IH | ○ |
4. 及源 角玉子焼 F-141
日本の定番料理、卵焼きを作るのに最適な南部鉄器フライパンです。
一度使ったら手放せないと人気のロングセラーモデルで、きれいな形の美味しい卵焼きが作れます。
また、卵焼きだけでなくフレンチトーストや一般的なトーストなどもパリッと食感よく焼き上げることができ、大変重宝するおすすめのフライパンです。
商品詳細
商品名 | 及源 角玉子焼 F-141 |
サイズ | 13.5×17cm |
重さ | 1kg |
IH | ○ |
5. 小笠原陸兆×栗原はるみ 蓋付きミニパン
岩手県水沢でモダンなデザインの南部鉄器を作り続けている鋳物師・小笠原陸兆さんが手がける、蓋付きのスタイリッシュなフライパンです。
使い手の視点として、料理家の栗原はるみさんの意見を取りいれ、深さのある蓋を採用しています。
どっしりとした厚みと重さのある蓋は気密性が高く、封じ込めた熱により食材の旨みをしっかりと引き出してくれます。
食卓にそのまま並べられるのも嬉しいポイントでしょう。
商品詳細
商品名 | 小笠原陸兆×栗原はるみ 蓋付きミニパン |
サイズ | 19cm |
重さ | 本体:1.2kg、蓋:1kg |
IH | ○ |
一生ものの南部鉄器フライパンを使ってもっと料理を楽しみましょう!
いかがでしたか?
モダンでおしゃれな南部鉄器フライパンのおすすめ・人気5選をご紹介するとともに、選び方のコツなどもお伝えしてきました。
本記事の大切なポイントをまとめると次のとおりです。
- 南部鉄器フライパンは食材が焦げ付きにくいうえ、旨みを逃さず調理できる
- 正しい使い方をすれば一生ものの調理道具として長く愛用できる
- 選び方のポイントは4つ
- おすすめは「岩鋳 フライパン 黒焼付 24012」「岩鋳 オムレット 24600」など
南部鉄器フライパンは、使い込むほどに味わいが増し、自分の手で育てる楽しみがある調理道具です。
ぜひ一生もののお気に入りを見つけて、楽しみながら美味しい料理を作ってください!
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