「出刃包丁の研ぎ方が知りたい」と考えていませんか?
魚を捌くのに適した出刃包丁ですが、切れ味を保つためにも研いでいきたいですよね。
そこで本記事では出刃包丁の研ぎ方について詳しく解説していきます。
砥石とシャープナーそれぞれを使った研ぎ方について紹介するので、ぜひご覧ください。
鮨たかはし 高橋潤
幼少期より料理が好きで、技を極める職人に憧れ、寿司屋を志す。
ミシュラン三ツ星の名店『鮨さいとう』で修行をし、2014年 銀座に『鮨たかはし』開業。
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NHK きょうの料理でレシピ提供をし、バラエティー番組にも出演するほか、誠文堂新光社『すしのサイエンス』を英語、台湾語、韓国、フランス語で出版。
研ぐうえで知っておきたい出刃包丁の特徴
出刃包丁を研ぐうえで知っておきたいことは、片刃包丁の多い和包丁に分類されることです。
魚を捌くなどの行為に適した和包丁は、薄くスライスできるように刃が片方にしかありません。
そのため出刃包丁を研ぐ際は刃のついた面のみを基本的に研ぐことが必要です。
また和包丁について詳しく知りたい方は「【保存版】和包丁のおすすめ人気20選!選び方から研ぎ方までご紹介」をご覧ください。
砥石を使って出刃包丁を研ぐ前の準備
まずは砥石を使った出刃包丁の研ぐ準備について紹介していきます。
準備物は基本的に全ての包丁を研ぐ場合と変わらないので、他の包丁でも応用してみてください。
では見ていきましょう。
用意するもの
砥石を使って出刃包丁を研ぐ際に用意するものは以下の通りです。
- 出刃包丁
- 砥石と砥石台
- 水を入れる容器
- 粗い紙
- 面直し砥石
- 鉛筆
- 台拭き
粗い紙は研ぎ終えた後にバリと呼ばれる刃に付着した削りかすを落とすために使用します。
理想は新聞紙ですが、雑誌の中にある粗めの紙や使わなくなったジーンズなどでも代用可能です。
包丁を研ぐための砥石だけでなく、砥石をメンテナンスするための面直し砥石も用意しておきましょう。
また砥石は中砥石と仕上げ砥石の2種類を用意しておくと、切れ味を長持ちさせる小刃付けを行えるためおすすめです。
中砥石や仕上げ砥石とは、砥石を粗さの程度で分類した呼び方で、それぞれを使うことで刃を綺麗に仕上げられます。
砥石の詳しい解説が知りたい方は「【厳選】包丁向けの砥石おすすめ人気20選!選び方も徹底解説」も合わせてご覧ください。
小刃付けの方法やその他の道具も使用場面にて詳しく解説していくので、ご安心ください。
砥石を水につける
準備物を用意したら、まず、砥石を水に付けていきましょう。
砥石を水に浸すことで滑りが良くなり研ぎやすくなったり、摩擦熱を逃してくれたりするため重要なプロセスです。
砥石に水を浸透させるために水を入れた容器に10~15分ほど浸し、砥石から気泡が出なくなるまで行います。
砥石の準備が完了したら、砥石台に砥石をセットして準備完了です。
砥石を2種類用意している方は、先に中砥石を用意してください。
また必要であれば適宜台拭きを使って、台所を周りを拭いておきましょう。
砥石を使った出刃包丁の正しい研ぎ方の手順
ここからは実際に砥石を使った出刃包丁の研ぎ方について紹介していきます。
基本的には片刃の包丁であれば同じ手順で研ぐことができますので、他包丁でも試してみてください。
今回紹介する手順は以下の通りです。
- 包丁を正しく設置する
- 研ぎたい部分に手を当て研ぐ
- バリを確認する
- 裏押しをする
- 小刃付けをする
- 再度裏押しをして仕上げ
では早速見ていきましょう。
1.包丁を正しく設置する
まずは砥石に対して包丁を正しく置きましょう。
砥石に対して出刃包丁を45度の角度で設置し、少し峰の部分を浮かせます。
出刃包丁は片刃包丁なので、刃の部分を砥石にぴったりとくっつければ、自然と峰の部分が浮き、正しい角度で研げるのでチェックしてみてください。
2.研ぎたい部分に手を当て研ぐ
次に砥石に置いた出刃包丁の研ぎたい部分に指を置いて、実際に研いで行きましょう。
指を置いた部分が砥石に当たり、実際に研ぐことのできる部分となるため、出刃包丁を持つ手と反対の人差し指、中指の2本を使います。
出刃包丁を押すときに力を入れて、引くときに力を抜くことで綺麗に研ぐことができるため注意しましょう。
1箇所あたり10~20回ほど往復させ、4~5箇所に分けて進めていきます。
ただし、刃の先端である切っ先を研ぐ際は、切っ先を砥石に押し当てるように持ち手を少し浮かせることがポイントです。
切っ先は他の部分に比べて反りが強く、通常通りの研ぎ方では刃が当たらないため、しっかりと刃を当てていきましょう。
また研ぐ途中では定期的に水を包丁に付けて、滑りを良くしてください。
出刃包丁を研ぐポイント
基本的な研ぎ方自体は他の片刃包丁と同じ出刃包丁ですが、研ぐ際には押さえたいポイントがあります。
それは刃先を尖らせつつも、根本は太いままにしておくことです。
出刃包丁は硬い魚の頭を切り落とすなどの使い方をするため、根本まで薄く研ぎすぎてしまうと刃こぼれの原因になってしまいます。
そのため刃先は鋭利に研ぎつつ、根本は研ぎすぎないようにしておきましょう。
3.バリを確認する
一通り研ぎ終えたら、刃の先にバリが付いているか確認しましょう。
しっかりと研ぐことができていれば、刃先に削りかすであるバリが刃先に付着しています。
刃の裏面から指をなぞるようにして確認し、引っ掛かりがあればバリのある証拠です。
もしバリが発生していない部分がある場合は、一部分だけ研ぎ直すと、刃が凹んでしまい切れ味が落ちる可能性があるため全体をもう一度研いでください。
また中砥石のみを使っている方は、バリを確認した後「6.再度裏押しをして仕上げ」の仕上げを行えば完了です。
仕上げ砥石で同じように研いでいく
仕上げ砥石がある方は、先ほどと同じように包丁を再度研いでいきましょう。
中砥石で研いだ後に仕上げ砥石で研ぐことによって、より滑らかで切れ味の良い刃になります。
4.裏押しをする
バリを確認できたら、片刃包丁である出刃包丁の場合はは刃の付いていない裏面を研ぐ作業である、裏押しをしていきます。
裏押しをすることで、裏面も綺麗に仕上げることができ、食材が刃に引っ付くことを防げることが特徴です。
裏面を仕上げ砥石にぴたっとくっつけ、研ぐときと反対で引くときに力を入れて、押すときに力を抜きましょう。
また裏押しから全ての工程は、刃を細かく磨ける仕上げ砥石の使用をおすすめします。
5.小刃付けをする
裏押しが終わったら、小刃付けに移ります。
小刃付けとは刃先に小さな刃を付けることで、切れ味が高くなったり、持続性が上がったりとすることがメリットです。
仕上げ砥石に対して、刃の表面を先ほどと同じように45度で設置し、しっかりと刃が付くように30~45度ほど刃を立たせます。
通常の研ぐときとは異なり、刃を立たせた状態で切っ先から根本までを一回で研ぐため注意が必要です。
10回ほど繰り返したら、またバリを確認してください。
最初に研いだときほどバリは出ませんので、小さな引っ掛かりを確認できれば問題ありません。
6.再度裏押しをして仕上げ
最後にまた仕上げ砥石を使って裏押しをしていきます。
裏押しが終わったら、粗い紙に刃先をこすり付け、2~3回刃を往復してバリを落としていきましょう。
最後にバリを落とせたか触って確認し、引っ掛かりが無ければ出刃包丁の研磨は終了です。
包丁を研ぎ終わったら砥石のメンテナンスをする
終わったら砥石のメンテナンスを行います。
使った砥石に鉛筆で適当に線を書き、消すようにして面直し砥石で磨きましょう。
もし鉛筆の線が残っていたら凹んでいる証拠なので、線が消えるまで磨けばメンテナンス完了です。
使い終わった用具を乾かして片付けて、実際に包丁を使ってみてください。
シャープナーを使った出刃包丁の研ぎ方
次にシャープナーを使った出刃包丁の研ぎ方を見ていきましょう。
まず片刃用のシャープナーを用意し、粗い目の窪みにセットして10回ほど包丁を引いて研ぎます。
次に仕上げの窪みにセットして同じように10回ほど研げば完了です。
注意点としては包丁を引いた際に、刃を机や自分の体に投げ出したり、ぶつけたりしないようにしましょう。
シャープナーは非常に簡単に研ぐことができるため、時間の無い方にはおすすめです。
出刃包丁の研ぎ方に関する疑問
出刃包丁の研ぎ方に関する疑問を解消していきます。
では1つずつ見ていきましょう。
- 包丁によって研ぎ方の違いはある?
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包丁によって研ぎ方の違いは基本ありません。
両刃と片刃では多少異なりますが、素材や包丁の種類自体で研ぎ方は異ならず同じため、一度習得すれば同じように活用できます。
- 初心者が気をつけるポイントは?
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特に初心者の方は、以下のポイントは気をつけましょう。
- 砥石の種類を確認する
- バリがあるかどうか確認する
- 怪我しないように正しい姿勢や持ち方をする
- 砥石には荒砥石や中砥石などの種類があり、正しい砥石でなければ適切に研ぐことが出来ません。
本記事では中砥石と仕上げ砥石を使った研ぎ方を紹介しましたが、初心者の方は使いやすい中砥石をまず用意しましょう。
また正しく研げているかバリをチェックしたり、そもそも怪我しないように正しい持ち方をしたりなど、注意して取り組んでください。
- 包丁を研ぐのがどうしても難しい場合は?
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どうしても難しい場合は、近くの包丁専門店などに研磨をお願いすることができます。
1,000~2,000ほどの安価で承っていることもあるため「時間がない、上手く研げない」と悩んでいる方は利用してみてください。
- 砥石とシャープナーの違いとおすすめは?
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包丁の品質を保つなら砥石がおすすめです。
シャープナーは刃の先端を削っているだけなので、すぐに切れ味が悪くなったり、刃こぼれの原因になったりとデメリットがあります。
対して砥石は時間がかかるものの、包丁の切れ味を高めつつ、刃に負荷をかけ過ぎないことがメリットです。
包丁はどこで買うのがおすすめ?
野菜を切るのならば薄刃包丁や菜切り包丁、魚を捌くのであれば出刃包丁、包丁を買うときは、それぞれの用途に合わせて選ぶことがポイントです。
KOHNOは、創業140年以上の歴史が紡ぐ確かな目利と、あらゆる種類や分類の包丁が揃っているので、用途に合わせて選ぶことが出来ます。
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いかがでしたでしょうか。
本記事の要点をまとめると以下の通りです。
- 出刃包丁は片刃包丁なので片面を重点的に研ぐ
- 砥石を使う場合はバリを確認して研げているかチェックする
- シャープナーよりも砥石の方がおすすめ
出刃包丁も使い続けると切れ味が落ちてしまい、魚を綺麗に捌くことが出来ないため定期的に研ぐことが大切です。
2~3ヶ月に1回でも良いので、本記事を参考にして実際に出刃包丁を研いでみてください。
また出刃包丁のような片刃包丁についてより知りたい方は「【決定版】片刃包丁の魅力とは?おすすめから使い方・研ぎ方までご紹介」も合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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