特徴がないことが特徴とされる笠間焼は、作家さんの個性が光る作品が楽しめる焼きものです。
本記事では、笠間で活躍する魅力的な若手作家さんを紹介します。
おしゃれでモダンなデザインのうつわを探している方は、ぜひ参考にしてください。
1962年、神奈川生まれ。高級割烹料亭で和食料理を中心に、料理の腕を磨く。
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その後、麻布「光仙」の料理長として活躍。現在は赤坂の隠れ家、高級料亭「紫芳庵(しほうあん)」で総料理長を務める。四季折々の和食を通じ、日本文化を国内外の富裕層に体験として届けている。
笠間焼の魅力とは?
笠間焼は、茨城県笠間市を中心とした地域で作られている陶磁器です。
ベテランの有名な作家さんから若手の作家さんまでが活躍しており、多種多様なデザインの作品が楽しめます。
関東ではもっとも古い歴史を持つ焼きもので、信楽焼をルーツとしながら、隣にある栃木県・益子焼の兄弟産地とも言われています。
笠間焼は、丈夫で割れにくいことから日常使いしやすく、あたたかみのある風合いが魅力です。
いくつか特徴をまとめてみましょう。
- 決まった形式がなく、種類やデザイン・スタイルが多種多様
- 粘りがあり細かい粒子の笠間粘土から作られるため、丈夫で汚れに強い
- 主に釉薬による装飾技法が用いられる
おしゃれデザインでおすすめの笠間焼の人気作家7選!モダンな作品も紹介
ここからは、おしゃれなデザインでおすすめの、笠間焼の若手人気作家さんを紹介します。
作品も合わせて紹介するので、それぞれの個性を楽しんでください。
まとめると次のとおりです。
作家名 | 作品 | サイズ |
---|---|---|
佐川義乱さん | ピッチャー(花器)H20cm アースカラー | 開口部の径: 約7.5cm ボディの径(一番太いところ):約14cm 縦: – 高さ: 約20cm 容量: 適量1リットル(満水1.3リットル) |
鯨井円美さん | マグカップ オリーブグリーン | 径:約8.0~8.5cm(持ち手含む 約10.5~10.7cm) 高さ:約7.7~7.9cm |
みずのくみこさん | こどもうつわセット | 仕切りつきプレート/直径約18.5㎝ 三つ足小鉢/直径約9㎝ スプーン/長さ約13.5㎝ |
砂山ちひろさん | jade タンブラー | 径:約7.5cm 高さ:約11.5cm 容量:約300ml |
益子大貴さん | しのぎマグカップ | 径:約100mm 高さ:約75mm |
島崎 小乙里さん | 急須KYUSU | 径:130mm 高さ:70mm |
西本典正さん | hinakari マグカップ | 径:9.2cm 高さ:8.5cm |
1つずつ見ていきましょう。
1. 佐川義乱さん
水戸市在住の佐川義乱さんは、笠間の土を使いつつ、イギリス伝統のスリップウェア(※)と呼ばれる技法をメインにしている作家さんです。
※クリーム状の化粧土を筆やスポイトを用いて装飾する技法
他にはない独特なデザインで、見る人、使う人を楽しませてくれる作家さんです。
個性的で飽きのこない色使いは、空や海、山などの自然をイメージしており、形状とのバランス感にセンスの良さを感じます。
カラーによって全く異なった表情が楽しめ、自分のスタイルや使うシーンに合わせて選べるでしょう。
ピッチャー(花器)H20cm アースカラー
地球の色をイメージして作られたこちらの花器は、インテリアのアクセントになる作品です。
落ち着いた色合いでありながら存在感のある佇まいが魅力的で、大きな取っ手がポイントです。
花器としてだけでなく、ポットとしても可愛く使えるでしょう。
2. 鯨井円美さん
千葉県出身の鯨井円美さんの作風は、シンプルで端正なフォルムと優しい風合いが特徴的です。
笠間の素材ならではの、ほっこりとした焼きものの味わいが見事に表現され、見ているだけで和やかな気持ちになれます。
全体の形状はもとより、持ち手や飲み口など細かな部分にも使い手への気遣いが感じられ、丁寧な手仕事の温もりが伝わってくる作品です。
マグカップ オリーブグリーン
益子のほっこりした風合いを生かしながらも、オリーブグリーンのくすんだ色味がおしゃれに映えるマグカップです。
手へのおさまりもよく、土の質感がぬくもりを感じさせます。
フチのにじみが味わい深く、コーヒーや紅茶の色合いがよく似合いモダンな魅力の出る作品です。
3. みずのくみこさん
みずのくみこさんは、シンプルで優しくあたたかい雰囲気の作風が魅力の作家さんです。
可愛らしくナチュラルな親しみやすさを持ったうつわは、日常使いにもぴったりで、食卓に柔らかなぬくもりを与えてくれます。
どんな料理とも相性がよく、いろいろなシーンで活躍してくれること間違いなしの作品ばかりです。
こどもうつわセット
みずのさんの作風は、角のない可愛らしさとあたたみが感じられ、子ども用食器と相性抜群です。
仕切り付きのプレートは、ワンプレートでいろいろな料理を少しずつ分けて盛り付けられ、バランスのよいメニューを用意できるでしょう。
3つ足の小鉢は、小さな子どもでも持ち上げやすく落としにく、実用性も備えています。
小さめのスプーンは優しい口あたりで、離乳食から使えるうえ、少し成長した時にはデザートスプーンとしても使えて長く愛用できるでしょう。
4. 砂山ちひろさん
砂山ちひろさんは、シンプルさとユニークさを兼ね備えた作品が魅力の作家さんです。
形状や色付けの面白さや、上の作品のような雫に見立てた遊び心のある発想で楽しませてくれます。
jade タンブラー
「jade」とは翡翠のことで、淡い翡翠色の釉薬を用いていることからその名がついています。
シンプルな白磁にうっすらとした翡翠色が美しい作品です。
中心に見える釉だまりがアクセントとなって、個性的な印象を感じさせます。
5. 益子大貴さん
伝統工芸士である益子大貴さんは、東京都江東区生まれで笠間の向山窯で作陶されています。
飛鉋(※1)やしのぎ(※2)を主な装飾技法として製作している作家さんで、繊細で丁寧な作風が魅力です。
※1 ろくろを回しながら鉋を表面に当てて連続的な模様をつける技法
※2. うつわの表面をヘラなどの道具を使って削り、稜線文様をつける技法
古くからの伝統技術を大切に受け継ぎながらも、現代のライフスタイルに合った使いやすい作品づくりをされている作家さんです。
しのぎマグカップ
こちらのブルーグリーンのマグカップは、美しいガラス質が魅力です。
表面の凹凸は「しのぎ」の技法が用いられており、1本1本が手作業で丁寧に仕上げられています。
約250mlの容量を入れられるため、コーヒーや紅茶だけでなくカフェオレやスープにも使え、重宝するアイテムでしょう。
6. 島崎 小乙里さん
茨城県日立市出身の島崎小乙里さんは、建築装飾、デザインの職を経たのち、1994年から陶芸の制作を開始した作家さんです。
島崎さんの魅力は、なんといってもポップな明るさ。
海が近くにある環境で育った島崎さんの作品は、青色を効果的に使ったものが多いのも特徴です。
可愛くて楽しいデザインに、青の持つ魅力がふんだんに発揮されています。
急須KYUSU
おしゃれな急須の中でも、ポップなデザインのものはなかなか見つけられないものです。
色合い、柄、形状、どれをとっても島崎さんらしい可愛いデザインは、食卓を明るく彩ってくれます。
注ぎ口には茶こしもついており扱いやすく、さらっとマットな手触りに仕上がっています。
見るたび、使うたびに愛着のわく魅力的な急須です。
7. 西本典正さん
西本典正さんは、同じく陶芸家である門脇美香江さんとともにご夫婦で「陶房 hinakari」を運営しています。
笠間焼の自然な風合いを生かした個性的な作品が魅力です。
カップを中心として、人形、時計、ユニークなロボットシリーズやコーヒードリッパーやサーバーまで、バリエーションに富んだ作品が楽しめます。
hinakari マグカップ
モザイク模様の唯一無二な作品が楽しめるマグカップです。
どのマグカップも自然な風合いが生かされたデザインで、個性的でぬくもりある表情が魅力的です。
パズルのような端正な幾何学的模様でありながらも素朴さが感じられるのは、笠間焼ならではの魅力でしょう。
ドリッパーやサーバーも同コレクションで揃えれば、より特別なコーヒータイムを過ごせそうです。
笠間焼の若手人気作家のうつわの魅力を楽しみましょう!
いかがでしたか?
笠間焼のおすすめ・人気若手作家さんとその作品を紹介してきました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- 笠間焼は茨城県笠間市を中心とした地域で作られている陶磁器
- ベテランから若手まで多くの作家さんが活躍している
- 決まった形式がないため多種多様なデザインが楽しめる
- 丈夫で割れにくい特徴がある
- おすすめの作家さんは「佐川義乱さん」「鯨井円美さん」など
笠間焼は、個性あふれる作家さんたちによる、バリエーション豊かな作品が楽しめます。
本記事を参考に、ぜひいろいろな作家さんの魅力的な作品を手にとってみてください!
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