小魚を捌くのにおすすめの「小出刃包丁」は、一本あると便利なアイテムです。
そんな小出刃包丁のおすすめ商品を5つ解説します。
また、通常の出刃包丁との違いや、選ぶ際のポイントについても記載しているので、購入検討中の方は要チェックです。
TOGO’S 東郷 健一郎
1987年ニューヨークの老舗寿司店「初花」で修業を重ねる。
5年の勤務時、支店の料理長を任される。その後、寿司以外の料理を研鑚すべく、マンハッタンの人気日本料理店で2年間料理の腕を磨く。
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1994年「NOBU」オーナーシェフの松久信幸氏の熱い誘いに応え、「NOBU NEW YORK CITY」オープンスタッフとして入店。
その後、2009年株式会社TOGO’Sを設立。
尽きる事のない探求心とこだわり、和食という枠にとどまる事なく、いつまでも記憶に残る料理を提供している。
小出刃包丁とは?
小出刃包丁とは、刃渡りが「10㎝」程度の小型の出刃包丁のこと。
一般的な出刃包丁の刃渡りは「13cm~18cm」程度であるため、やや短めで小ぶりなサイズであることが特徴です。
アジのような小さいサイズの魚をおろすときなどに、最適な包丁となっています。
出刃包丁との違いは刃渡り
小出刃包丁について詳しくご紹介する前に、まずは出刃包丁とはどんなものかを解説していきます。
出刃包丁とは、料理の下ごしらえに使用される包丁の一種。切っ先が幅広で丸みを帯びているため、魚の三枚おろしなどに向いています。
他の包丁とは形状がやや異なり、刃渡り(刃の長さ)は短めで厚みもあるのが特徴です。
例えば、出刃包丁の刃渡りは15~21cm程度なのに対し、刺身包丁や薄刃包丁、牛刀包丁(万能包丁)などは18~27cm程度となっています。
このように、包丁の種類によっては刃渡りが異なります。
そのため「出刃包丁との違いは刃渡り」と一概に言えますが、他にも形状や用途など様々な違いがあります。
たとえば、刺身をスライスするための刺身包丁は、短くて厚みのある出刃包丁とは違い、長めで薄い刃を持っています。
出刃包丁には他にもさまざまな種類がある
出刃包丁の種類は少なくとも10種類以上はあり、それぞれに実用性や用途に差を持たせているのが特徴です。
一般家庭に普及するスタンダードな出刃包丁から、相出刃包丁、身卸し出刃包丁、アジ切り包丁、ふぐ出刃包丁、舟行包丁、鮭切り出刃、かしわ出刃、バラン切りなどがあります。
種類 | サイズ | 用途・特徴 |
出刃包丁 | 15~18cm | 凡庸型、大小さまざまに対応 |
相出刃包丁 | 10~30cm | 一般的出刃包丁より細身で取り回しがきく |
身卸し出刃包丁 | 20cm前後 | 魚をさばき切り身にするのに便利 |
アジ切り包丁 | 9~15cm | アジを中心に小魚に対応 |
ふぐ出刃包丁 | 18〜36cm | ふぐ専用の出刃包丁 |
舟行包丁 | 15cm前後 | 漁師が簡易的に現場で使えるよう開発されたもの |
鮭切り出刃 | 27~30cm | 鮭をさばくためのもの |
かしわ出刃 | 18~21㎝ | 鶏を丸ごと解体するためのもの |
バラン切り | 10~15㎝ | 料理人の定番で、笹切りなどの飾り切りで使用 |
それぞれの包丁ごとに適している料理のジャンルや食材が変わってきます。
そのため、自分がどんな用途や目的で使うのかを明確にして、それに合ったタイプを選ぶことが大切です。
その他の包丁の種類も気になる方は、以下をご覧ください。
小出刃包丁の使い方
小出刃包丁は、小型の出刃包丁で、細かい作業に適しています。
主な使い方は以下の通りです。
- 魚の処理
小出刃包丁は、魚の頭を落とす、ヒレを取る、骨を外すなど、魚を捌く際の細かい作業に使います。包丁の先端が尖っているため、繊細な作業がしやすくなっています。 - 野菜の飾り切り
小さな野菜の飾り切りに適しています。例えば、かぶやラディッシュのような小さな根菜類の飾り切りや、花型のカットなどに使用できます。 - 果物の細工
リンゴやグレープフルーツなどの果物の皮を剥いたり、果肉を細かく切ったりする際に便利です。 - 肉の下処理
小さな肉片の筋切りや脂身の除去など、肉の下処理に使用できます。
小出刃包丁を使用する際は、包丁の先端を上手く活用し、細かい作業に集中することが大切です。
また、小さな包丁ではあるものの、刃物ですので、扱いには十分注意が必要です。
小出刃包丁の選び方
小出刃包丁を選ぶのであれば、どのような基準から考えておけばよいのでしょうか。
ここでは、最適な小出刃包丁を見つける際の選び方について紹介します。
- サイズで選ぶ
- 価格で選ぶ
- 刃や柄の素材で選ぶ
- 右利き・左利きで選ぶ
- 手入れのし易さで選ぶ
サイズで選ぶ
小出刃包丁は、自分が扱いやすいサイズ感で選ぶのがポイントです。
比較的に小魚をさばく際に扱える出刃包丁で、二枚おろし・三枚おろしや、中骨・小骨を断ち切る時に使用します。
小出刃包丁の一般的なサイズは、9cm~12cm程度。
ですが、小魚用で限定的に使用する場合は「9cm~10cm」程度の、より小型のタイプを選んでおくと良いでしょう。
価格で選ぶ
次にチェックしておきたいのが、小出刃包丁の金額。
小出刃包丁の価格帯は、数千円〜数万円と非常に幅が広いのが特徴です。
揃えたい出刃包丁の意図や目的を考慮して、そこに見合った価格帯から選ぶことが望ましいでしょう。
刃や柄の素材で選ぶ
小出刃包丁は、刃や柄の素材から選んでみましょう。
刃部分に使われる素材として、主にステンレスと鋼の2種類があります。
銅製の包丁と比較すると、切れ味がやや劣りはしますが、最近はかなり精度も高まってきました。
その一方、鋼製の包丁は研ぎ直しが利くため、切れ味を長く保持できるのが利点です。
日ごろの手入れの手間はかかりますが、使いこなすと手になじみ愛着が持てるでしょう。
初心者の方はステンレスがおすすめ
初心者の方には、ステンレス製の小出刃包丁がおすすめ。
ステンレス素材は、錆びにくいため、日々のメンテナンスがとても楽になります。
また、ステンレス製は比較的安価で入手しやすいので、初心者の方が気軽に使い始めることができます。
一方、炭素鋼の小出刃包丁は、鋭い切れ味が長持ちしますが、錆びやすく、お手入れに注意が必要。
したがって、包丁の扱いに慣れていない初心者の方は、まずはステンレス製の小出刃包丁を使ってみることをおすすめします。
使い方に慣れてきたら、徐々に炭素鋼の小出刃包丁にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
柄にも注目
持ち手の柄部分も、選ぶ際の大切なポイントになります。
柄は、包丁の持ちやすさや重さなどの、「使いやすさ」に直結する大事なパーツ。
包丁選びに後悔したくない方は、柄も必ずチェックしておくようにしましょう。
柄はすべりにくい木製か、清潔に保てるステンレス製の2種類。
どちらか自分が使いやすいと思う方を選びましょう。
素材 | 特徴 |
ステンレス | 口金や柄までオールステンレス さびにくくて衛生的 硬くて頑丈 洋風でスタイリッシュ |
銅 | 切れ味が鋭くプロ仕様 さびやすく刃こぼれしやすい 砥石で研いで長く使える 常にメンテナンスが必要 |
セラミック | 切れ味は比較的に長続きする 使い方によっては半永久的 刃こぼれしやすい 専用のシャープナーで磨く |
チタン | 軽量で扱いやすい さびにくく刃こぼれが少ない 衛生的に使える 切れ味が悪い |
右利き・左利きで選ぶ
小出刃包丁を選ぶ際には、自分の利き腕のことも考慮しておきましょう。
利き手とは逆のタイプの包丁を使ってしまうと、食材が千切れてしまったり、潰れてしまったりと、綺麗に切ることが非常に難しくなってしまいます。
一般的に片刃だけの出刃包丁の場合は、右利き用として作られているため、左利きの方は特に注意しておきましょう。
また、左利き用は値段が通常の1.5〜2倍ほどかかる恐れがありますが、それでも安全面から利き手を考慮して選ぶほうがよいでしょう。
また、両刃の出刃包丁もあります。
それなら、右利き・左利きを兼用できるので、両刃タイプもチェックしておくと良いでしょう。
お手入れのしやすさで選ぶ
小出刃包丁を選ぶ際には、お手入れがしやすい製品かどうかも考えておきましょう。
一般的な家庭用包丁として使用するのであれば、やはりステンレス製を選んでおくのがおすすめ。
前述したように、他の素材と比べて錆びにくいため、ある程度放置しても劣化が少なくお手入れが簡単です。
一方で銅製では、日ごろからメンテナンスをしておかないと劣化が激しく、刃ころびなどしてしまうでしょう。
また、最近ではセラミック製・チタン製も登場しています。
軽量でさびにくく金属臭がないセラミックは切れ味も長持ちします。
ただし、専用シャープナーで刃を研ぐ必要があります。
チタンも金属臭がなくさびにくいのですが、切れ味の点では他の素材と比較して劣ってしまうのが欠点です。
小出刃包丁のおすすめ5選ランキング!
品数多い出刃包丁の中で、小出刃包丁に厳選しても結構な商品数が販売されています。
そこで、おすすめできる人気の小出刃包丁を5つに絞ってランキング形式で紹介しましょう。
以下の5点です。
5位|石鎚金物製作所「黒 打ち小包丁 10.5cm」
4位|吉田金属工業「GLOBAL-IST 小出刃 12cm」
3位|貝印「関孫六 金寿 和包丁 AK-1101 10.5cm」
2位|遠藤商事 「TKG-NEO 小出刃(片刃)ATK93 10.5cm」
1位|藤次郎「TOJIRO PRO 小出刃 10.5cm」
5位|石鎚金物製作所「黒 打ち小包丁 10.5cm」
創業100年を越えていて、土佐刃物を専門に扱っている専門業者による製品です。
代表的製品「黒打ち」と呼ばれる出刃包丁は、焼き入れ後に刃の部分だけを削りだします。
他の製品よりもさびびにくく、切れ味もよいのが特徴です。
価格もリーズナブルなのでおすすめできます。
種類 | 刃の素材 | 柄の素材 | 刃渡り | アフターサービス |
小出刃包丁 | 鉄 | 朴 | 105mm | なし |
4位|吉田金属工業「GLOBAL-IST 小出刃 12cm」
小さいアジから40cm程度の鯛やイサキまで、オールラウンドにこなせる小出刃包丁です。
日本古来の和包丁の特徴を生かしつつ、スタイリッシュなオールステンレス製に仕上げてあります。
右利き用・左利き用の2種類があって便利です。
食材の衛生面でも安全性があり、小回りが利く点も魅力的でしょう。
柄のグリップ感もしっくりきます。
種類 | 刃の素材 | 柄の素材 | 刃渡り | アフターサービス |
小出刃包丁 | ステンレス鋼 | ステンレス鋼 | 120mm | なし |
3位|貝印「孫六 金寿 和包丁 AK-1101 10.5cm」
KAI独自開発「糸切刃」によるステンレス製の小出刃包丁です。
従来のステンレス製では難しい糸切刃を独自技術によって付け加えています。
糸切刃にすると研ぎ直しがしやすくなりメンテナンスが楽になるのが利点です。
また、「積層強化木八角ハンドル」は、強度に優れた積層強化木が採用されました。
天然木を特殊加工し、水の使用の中でも耐久性があります。
種類 | 刃の素材 | 柄の素材 | 刃渡り | アフターサービス |
小出刃包丁 | ステンレス単層材 | 積層強化木 | 105mm | なし |
2位|遠藤商事 「TKG-NEO 小出刃(片刃)ATK93 10.5cm」
ホテル・レストラン向けキッチン用品のブランドによる本格的な小出刃包丁です。
近代的クラフト技術の「DP法・内部脱炭防止法」により、刀鋼(3枚複合)を実現させました。
耐摩耗性が向上したプロ仕様設計なのが特徴です。
柄の部分もステンレスで、扱いやすさと耐久性も備え、プロに限らず一般家庭でも問題なく扱えるでしょう。
水やバクテリアなどによる浸食・繁殖も防止できて、熱湯消毒もできるので衛生的に使えます。
種類 | 刃の素材 | 柄の素材 | 刃渡り | アフターサービス |
小出刃包丁 | ステンレス合金鋼 | 18-8ステンレス | 105mm | なし |
1位|藤次郎「TOJIRO PRO 小出刃 10.5cm」
そのまま丸洗いできるオールステンレス製の小出刃包丁です。
専門職人による本刃付け仕上げなので、研ぎ直しが簡単にできます。
コバルト合金鋼とステンレス鋼をDPクラッド法で作り上げてあるため、耐久性にも優れています。
ハンドル部分は「トルネード模様」を施し、手になじむデザインを採用、水や油でのすべりやすさを防ぐ構造です。
種類 | 刃の素材 | 柄の素材 | 刃渡り | アフターサービス |
小出刃包丁 | ステンレス鋼 | ステンレス鋼 | 105mm | なし |
小出刃包丁に関するよくある質問
ここでは、小出刃包丁に関するよくある疑問について言及していきます。
- 小出刃包丁はニトリやホームセンターで買える?
-
ニトリで取り扱う包丁の種類は、一般的な家庭用三徳包丁が主流になっています。
品数は多いのですが、種類が限られています。
また、ホームセンターでも購入は可能ですが、小出刃包丁も揃っているかどうかは店舗次第です。
代表的なところでは、カインズなら豊富に種類が揃っているでしょう。
- 小出刃包丁の研ぎ方は?
-
小出刃包丁を研ぐ方法は、一般的な出刃包丁と同様な形式で行えばよいでしょう。
揃えておきたい用具は、以下の3つです。
スクロールできます名称 用途 荒砥石 砥粒の大きな砥石、研削力が強く、刃先を削り直す際に使用 中砥石 800〜2000番までの範疇で砥粒が平均的、通常はこれがメイン 修正砥石 砥石を再度平面に整える「面直し」用の砥石 研ぎ方は、まず砥石(中砥石)を水に漬けて泡が出てくるのを待ちます。
包丁は右手で根元部分(アゴの部分)を親指で押さえながらしっかり握りましょう。
砥石に対して45度程度の角度で包丁を当てて、左手の指を添えながら、砥石全体を使って研ぎます。
やがて、刃にカエリ(バリ)出てくるので、徐々に先端に向かって研ぎを繰り出していきましょう。
使用後の砥石には必ず修正砥石を使って、面直しを忘れずに行ってください。
- 錆びにくい小出刃包丁はどんな素材?
-
初心者であれば、ステンレス製の小出刃包丁を選んでおくのがベストです。
メンテンナンスも手間がかからず耐久性もあります。
他にも、チタン合金製やセラミック製も錆が付きにくくて、一定の切れ味を保てるでしょう。
ただし、切れ味はステンレスや銅製と比較すると劣ってしまうのが欠点です。
小魚を捌くなら小出刃包丁がおすすめ!用途に合わせて選ぼう
小出刃包丁には以下のような特徴があります。
- 刃渡りが10㎝前後の小型である
- 小回りが利くように設計されている
- ステンレスや銅を中心に製造されている
このような特徴を持つ小出刃包丁が一本あれば、アジやサバなどの小さな魚を効率的に捌きやすくなります。
本格的に料理をする人以外でも、サブ包丁として揃えておくのをおすすめします。
ご紹介した選び方をもとに、自分にピッタリの小出刃包丁を見つけてくださいね。
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