「両刃の包丁について特徴やメリットが知りたい」と考えていませんか?
包丁の刃には片刃と両刃が存在しますが、利き手を限定しない両刃について詳しく知りたいですよね。
そこで本記事では両刃の包丁について特徴やメリット・デメリット、両刃が多い包丁の種類を紹介していきます。
両刃包丁の研ぎ方についても紹介していくので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
1962年、神奈川生まれ。高級割烹料亭で和食料理を中心に、料理の腕を磨く。
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その後、麻布「光仙」の料理長として活躍。現在は赤坂の隠れ家、高級料亭「紫芳庵(しほうあん)」で総料理長を務める。四季折々の和食を通じ、日本文化を国内外の富裕層に体験として届けている。
両刃とは
両刃包丁とは、その名の通り刃が両面についた包丁のことです。
両方に刃が付いているため、利き手を限定することなく使えたり、直線的に力が入るため硬い食材でもカットできたりといった特徴があります。
洋包丁に多い
そもそも両刃包丁は洋包丁に多いことが特徴的です。
洋包丁とは三徳包丁や牛刀といった使い勝手の良い包丁で、主に西洋料理に使われます。
反対に和包丁とは刺身包丁のような和食に適した包丁です。
洋食ではソースを煮込むことなどで料理を楽しむ文化があるため、食材の切りやすさが包丁に求められた結果、刃が真っ直ぐ通る両刃の包丁が生まれました。
反対に和食では、食材の魅力をそのままにしつつ、刺身などの旨味を殺さずにカットすることが求められたため、繊細に扱える片刃となっていきました。
また洋包丁について詳しく知りたい方は「【保存版】洋包丁の種類と用途を徹底解説!特徴やおすすめまでご紹介」も合わせてご覧ください。
片刃と両刃の違い
包丁 | 片刃包丁 | 両刃包丁 |
---|---|---|
刃の形状 | 片側のみに刃がある | 両側に刃がある |
用途 | 繊細な切れ味が必要な作業に適している | 力強い切れ味が必要な作業に適している |
扱いやすさ | 右利きの人に扱いやすい | 左利きの人でも扱いやすい |
切れ味 | 繊細で、なめらかな切れ味 | 力強く、スムーズな切れ味 |
維持管理 | 片刃のみ研ぐ必要がある | 両刃を均等に研ぐ必要がある |
片刃包丁と両刃包丁は、刃の形状、用途、扱いやすさ、切れ味、維持管理の点で異なる特徴を持っています。
片刃包丁は片側のみに刃がついており、繊細な切れ味が必要な作業に適しており、魚をおろしたり、野菜を薄切りにしたりする際に威力を発揮します。
右利きの人に扱いやすい設計になっており、繊細でなめらかな切れ味が特徴です。
メンテナンスは片刃のみを研ぐ必要があります。
一方、両刃包丁は両側に刃がついており、力強い切れ味が必要な作業に適しており、肉を切ったり、硬い野菜を切ったりする際に活躍します。
左利きの人でも扱いやすく、汎用性が高いのが特徴です。
力強くスムーズな切れ味が得られますが、両刃を均等に研ぐ必要があります。
片刃と両刃の見分け方
片刃と両刃の包丁を見分けるには、以下の点に注目します。
- 刃の形状
片刃包丁は、刃が片側のみについているのに対し、両刃包丁は、刃が両側についています。 - 断面の形状
片刃包丁の断面は、片側が平らで、もう一方が斜めに研がれており、両刃包丁の断面は、両側が対称的に研がれています。 - 刃先の形状
片刃包丁の刃先は、片側のみが鋭利に研がれているのに対し、両刃包丁の刃先は、両側が均等に鋭利に研がれています。
これらの特徴を観察することで、片刃と両刃の包丁を見分けることができます。
慣れてくると、一目で判断できるようになるでしょう。
両刃包丁のメリット・デメリット
ここからは両刃包丁のメリット・デメリットについて紹介していきます。
その前に両刃と片刃の特徴の違いをおさえておくと理解しやすいため、まずは以下の表をご覧ください。
項目 | 両刃 | 片刃 |
---|---|---|
切れ味 | ◯ | ◎ |
耐久力 | ◎ | ◯ |
研磨のしやすさ | ◯ | ◎ |
利き手 | 左右関係なし | どちらか一方 |
こちらを踏まえたうえで、両刃のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
では見ていきましょう。
メリット:硬い食材でも切りやすい・左利きでも扱える
両刃包丁のメリットは硬い食材でも切りやすいことが挙げられます。
片刃包丁とは異なり、両刃包丁では包丁に対して真っ直ぐに力が加わるため、食材にもそのまま直感的に刃が入ることが特徴的です。
言い換えれば、片刃と両刃包丁それぞれに同じ力を加えると、両刃包丁の方が強い力が刃に加わるため、自ずと硬い食材でもカットできるということ。
そのため幅広い食材に対応することができ、使い勝手が良く、三徳包丁や牛刀のような両刃包丁をメインの包丁としている人が多いです。
またメインの包丁としている人が多い理由は、両刃が利き手を問わないことにも関係しています。
片刃包丁は刃が一方にしか付いていないため、右利き用・左利き用が存在していますが、両刃包丁は両方に刃が付いているため左右どちらの手であっても問題ありません。
そのため左利きの方でも両刃包丁であれば心配なく使えることから、使い勝手がよくメイン包丁として使っている方が多くなっています。
デメリット:薄切りに不向き・研ぎにくい
両刃のデメリットは薄切りに向いていないことです。
両刃包丁は真っ直ぐに力が入ってしまうことに加えて、両方に刃が付いていることから食材との接地面が多い特徴があります。
結果的にどうしても片刃包丁に比べて薄く切ることが難しく、繊細な料理には不向きであることがデメリットです。
実際に刺し身のような薄切りを必要とする料理では、刺身包丁のような片刃包丁を使うことで、綺麗に薄切りができます。
また両刃包丁は研ぎにくいという欠点も抱えています。
片刃包丁であれば刃の角度さえ合わすことで簡単に研ぐことができますが、両刃包丁の場合は左右の刃のバランスを整えつつ研磨することが必要です。
左右のバランスが乱れてしまうと、カット時の断面が悪くなってしまい、食材の味も落ちてしまうこともあります。
そのため素人では綺麗に研磨することができず、結果的に切れ味を落とし続けてしまうケースがあるのが大きなデメリットの1つです。
両刃包丁の有名包丁5選
ここからは両刃の包丁の中でも有名なものを紹介していきます。
今回紹介するのは以下の種類です。
種類 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
三徳包丁 | 肉・魚・野菜のカットに適している | 最初の一本をお探しの方 |
牛刀 | 肉類のカットに向いているが、実は万能に使える | 料理好きでメイン包丁をお探しの方 |
菜切包丁 | 野菜のカットならNo.1 | 野菜を頻繁に扱う方 |
ペティナイフ | 小回りが利き果物など小さな食材に向いている | 果物をよく切る方や一人暮らしの方 |
中華包丁 | 慣れれば幅広い食材に使える | 幅広い食材を扱う方 |
ではそれぞれ特徴を見ていきましょう。
肉・野菜・魚をはじめとした幅広い食材に適した「三徳包丁」
三徳包丁とは肉・野菜・魚の3種類を切ることに適した包丁です。
3種類と言いつつ、ほぼ全ての食材に使える万能包丁となっており、最も一般的な包丁として人気があります。
刃が真っ直ぐになっているため、力がそのまま伝わりやすく両刃のため、誰でも使える点が魅力的です。
「初めての包丁を購入したい」と考えたら、真っ先におすすめしたい汎用性の高い包丁となっています。
三徳包丁について詳しく知りたい方は「三徳包丁のおすすめ人気17選!プロが使う高級品から安い包丁まで」を合わせてご覧ください。
実は三徳包丁よりも万能に使える!料理好きが愛用する「牛刀」
シェフナイフとも言われる牛刀は、肉類のカットに適した包丁です。
しかしシンプルかつ切れ味の高い構造から、料理好きからは三徳包丁よりも支持されることも多く、メインの包丁としておすすめとなっています。
理由は程よく反っている刃が、食材に対して緩やかなカーブを描いているため、刃が入りやすく結果的に高い切れ味を実現しているからです。
そのため料理を趣味にしたいと考えている方であれば、三徳包丁よりも牛刀を検討してみてはいかがでしょうか。
牛刀の詳しい解説やおすすめ商品については「牛刀のおすすめ人気17選!プロ用から初心者まで使える牛刀をご紹介」をチェックしてみてください。
野菜を切るなら一番!「菜切包丁」
菜切包丁は野菜を切ることに適した包丁です。
刃先まで刃の大きさが均等なため、野菜に対しても均等に力が加わります。
そのため千切りなども一定の断面を継続してカットできることから、キャベツや玉ねぎのような野菜に向いていることがメリットです。
少量の野菜であれば三徳包丁や牛刀で充分ですが、大量に扱うのであればスピーディーかつ綺麗に切れる菜切包丁をチェックしてみてはいかがでしょうか。
「【2022年最新】菜切包丁のおすすめ人気13選!素材別にご紹介」では菜切包丁の特徴や人気のおすすめ商品も紹介しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
小さくて小回りが利く!一人暮らしならメイン包丁としてもおすすめ「ペティナイフ」
ペティナイフは他のナイフよりも一回り小さい包丁です。
小さいため小回りが利き、食材に対して繊細に刃を入れられることがメリットとなっています。
また多くの食材を扱わない一人暮らしの方であれば、ペティナイフでも充分であるため、おすすめです。
ペティナイフについては「【厳選】ペティナイフのおすすめ人気12選!最適な長さや素材も徹底解説」でも詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
慣れれば万能に使える!中華料理を中心に使われる「中華包丁」
中華料理の際に用いられる中華包丁は、実は慣れれば非常に幅広い食材を扱える万能包丁です。
非常に大きく、菜切包丁のように刃の先端まで大きさが変わらないことが特徴的。
三徳包丁や牛刀も汎用性の高い包丁ですが、中華包丁は重量感もあるため骨などより硬い食材でも断ち切ることができます。
慣れるまでは扱いにくいと感じますが、使いこなせれば最も便利な包丁と言えるでしょう。
また他の包丁についても知りたい方は「【決定版】包丁の20種類一覧を紹介!特徴や使い分けについても徹底解説」もチェックしてみてください。
両刃包丁の研ぎ方
ここからは両刃包丁の研ぎ方を紹介していきます。
両刃包丁を研ぐステップは以下の通りです。
- 砥石に対して包丁を45度の角度に置き、刃を砥石から15度ほど浮かせて設置する
- そのまま押すときに力を入れ、引く時に力を抜いて4~5箇所に分けて10回ほど研ぐ
- 裏面をさわって”かえり”があるか確認し表は完了
- 裏面を1と同じようにセットし、表とは反対に押す時に力を抜き、引く時に力を入れる
- 4~5箇所に分けて10回ほど研いだら、かえりを確認
- 最後に新聞紙などの粗い紙でかえりを取ったら終了
上記の通り両刃では両面の刃を研ぐ必要があります。
その際に、片面が終了したら上手く研げているかの確認として、かえりを確認しましょう。
かえりとは研ぐことによって生まれる刃の引っ掛かり部分で、上手く研げていればかえりが発生します。
また両刃ではバランスが大切なため、両方同じ回数研ぐことを意識しましょう。
また砥石について知りたい方は「【厳選】包丁向けの砥石おすすめ人気20選!選び方も徹底解説」をぜひご覧ください。
包丁はどこで買うのがおすすめ?
野菜を切るのならば薄刃包丁や菜切り包丁、魚を捌くのであれば出刃包丁、包丁を買うときは、それぞれの用途に合わせて選ぶことがポイントです。
KOHNOは、創業140年以上の歴史が紡ぐ確かな目利と、あらゆる種類や分類の包丁が揃っているので、用途に合わせて選ぶことが出来ます。
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いかがでしたでしょうか。
今回は両刃包丁の特徴やメリット・デメリットについて紹介してきました。
本記事の要点をまとめると以下の通りです。
- 両刃包丁は刃が両方についていて利き手を問わず使える
- 両刃は硬い食材を切りやすいが薄切りが難しい点がデメリット
- 洋包丁を中心に両刃包丁となっており三徳包丁や牛刀が挙げられる
両刃包丁は誰でも簡単に扱うことができ、メイン包丁として優秀な一方で、繊細な料理に向いておらず研磨も難しい欠点を抱えています。
片刃と比べて、自分に合っている方の包丁を検討してみてください。
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