サウナに必須なチラー(水風呂冷水機)について仕組みやおすすめを紹介
この記事を読んでいる方の中には、サウナの水風呂に使用するチラーをお探しの方もいるのではないでしょうか。
しかし、チラーについて正しく理解していないと、どのチラーを選べばいいのかわからないかと思います。
そこで、この記事ではサウナの水風呂に使用するチラーについて紹介していきます。
さらには、チラーの仕組みやおすすめのチラーも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
サウナで使われるチラーとは?
サウナで使われるチラーは、水風呂の水温を適切に管理するための冷却装置です。
以下に、チラーの役割について詳しく解説します。
水道水を適温まで冷却する
チラーは、水道水を水風呂に適した温度まで冷却するために使用されます。
冷媒ガスを用いた冷凍サイクルによって、水を効率的に冷却するものです。
チラーが水道水を冷却する過程では、冷媒ガスが気化する際に周囲の熱を奪う気化熱作用を利用します。
これにより、水道水を短時間で冷却し、利用者が快適に水風呂を楽しめるようにします。
チラーを導入することで、温度管理が容易になり、サウナ後のリラクゼーション効果を引き出すことが可能です。
水風呂の水温を一定に保つ
チラーは、水風呂の水温を一定に保つ機能も備えています。
設定した温度を維持するために、チラーは水を循環させながら冷却を行います。
そうすることで、外部環境や利用者の影響を受けにくく、常に快適な水温を提供することが可能です。
温度の変動を最小限に抑えることで、利用者は安定したリラクゼーション効果を得ることができ、サウナと水風呂の繰り返しによる「整い」状態を実現しやすくなります。
チラーの仕組みを詳しく解説!
チラーは、冷媒を用いて液体を冷却し、循環させる装置で、主に、冷媒ガスを圧縮・膨張させる冷却サイクルを利用して、水や他の液体を効率的に冷却します。
POINT
チラーの構造
・コンプレッサー
・蒸発器
・凝縮器
・膨張弁
チラーの構造は、コンプレッサー、蒸発器、凝縮器、膨張弁などから成り立ちます。
コンプレッサーで圧縮された冷媒は、蒸発器で液体に戻る際に熱を吸収し、冷却を行います。
その後、凝縮器で熱を放出し、膨張弁で冷媒の流れを調整するという仕組みです。
家庭用チラーと業務用チラーの違い
家庭用チラーと業務用チラーの違いについて、以下に解説します。
機能の違い
項目 | 家庭用チラー | 業務用チラー |
---|---|---|
主な用途 | 小規模な冷却用途に適している | 大規模な冷却が必要な産業用途に向けて設計されている |
使用例 | 家庭用サウナや水槽の温度管理 | 食品加工工場や製造業での機械の温度調節 |
操作 | 操作が簡単でメンテナンスも手軽 | 高い冷却能力を持ち、精密な温度管理が可能 |
特徴 | 小型で取り扱いやすく、家庭向けの簡易なシステム | 耐久性や効率性が求められるため、複雑なシステムが組み込まれている |
家庭用チラーは、主に小規模な冷却に適しており、操作が簡単でメンテナンスも手軽です。
例えば、家庭用サウナや水槽の温度管理に利用されることが多いです。
一方、業務用チラーは、大規模な冷却に向けて設計されています。
これには、食品加工工場や製造業での機械の温度調節が必要な場合などが含まれます。
業務用は高い冷却能力を持ち、精密な温度管理が可能で、耐久性や効率性が求められるため、複雑なシステムが組み込まれています。
費用相場の違い
項目 | 家庭用チラー | 業務用チラー |
---|---|---|
価格 | 20万〜150万円程度 | 200万円〜 |
用途 | 個人のサウナや水槽用として手頃な価格設定 | 高い冷却能力と耐久性が必要な産業用途 |
初期投資 | 比較的少ない | 初期投資が大きくなりがち |
選択基準 | 用途や機能に応じて選択可能 | 用途や規模に応じて大きく変動 |
補助金制度 | 一般的には適用外 | 省エネ性能が高いものは補助金制度が利用可能 |
家庭用チラーの価格は、一般的に20万円から150万円程度で、用途や機能に応じて選択可能です。
これは、個人のサウナや水槽用として手頃な価格設定になっています。
対照的に、業務用チラーは数百万円から数千万円に及ぶことがあり、用途や規模に応じて大きく変動します。
業務用は高い冷却能力と耐久性を持つため、初期投資が大きくなりがちです。
家庭用チラーのおすすめ3選
ここではまず、家庭用チラーのおすすめを紹介します。
家庭で気軽に使用しやすいものを3つ挙げたので、ぜひ参考にしてください。
POINT
家庭用チラーのおすすめ
・ゼンスイ ZC-100α
・ゼンスイ ZC-500α
・ニッソー アクアクーラースリム 202
それでは見ていきましょう。
仕様 | ゼンスイ ZC-100α | ゼンスイ ZC-500α | IESAUNA 家庭用チラー・水風呂セット |
---|---|---|---|
冷却水量目安 | 100L以下 (30℃環境、25℃設定) | 450L (30℃環境、25℃設定) | 200L (35℃環境、25℃設定) |
ポンプ流量 | 5~15 L/min | 10~40 L/min | 記載なし |
電圧 | 100V | 100V | 記載なし |
コンプレッサー出力 | 30W | 75W | 記載なし |
冷凍機能力 (50/60Hz) | 0.09/0.11 kW | 0.29/0.34 kW | 記載なし |
消費電力 (50/60Hz) | 95/112 W | 154/177 W | 320/350 W |
1ヶ月の電気代目安 (50/60Hz) | 570/672円 | 924/1062円 | 1,920/2,100円 |
冷媒 | R-134a | R-134a | 記載なし |
サイズ (W×D×H mm) | 196×320×350(358) | 250×420×420(470) | 255×435×395 |
重量 | 10.0kg | 16kg | 記載なし |
ヒーター接続容量 | 100V/300W以内 | 100V/600W以内 | 記載なし |
価格(税抜) | 74,000円 | 199,000円 | 176,000円 |
ゼンスイ ZC-100α
ゼンスイのZC-100αは、水槽用クーラーとして人気があり、家庭用サウナの水風呂冷却にも利用可能です。
コンパクトな設計で、設置が容易でありながら、十分な冷却能力を持っています。
コストパフォーマンスが高く、初めての家庭用チラーとしてもおすすめです。
ゼンスイ ZC-500α
ZC-500αは、ZC-100αの上位モデルで、より高い冷却能力を提供します。
家庭用の水風呂や小型プールの温度管理に適しており、耐久性も高く評価されています。
静音設計で、家庭用の水風呂で利用する場合でも快適です。
IESAUNA 家庭用チラー・水風呂セット
IESAUNAの家庭用チラー・水風呂セットは、誰でも簡単に組み立てることができるチラーのセットです。
200リットル入る1人用プールの水を冷やすことができるので、家でサウナを楽しむために欠かせないアイテムです。
業務用チラーのおすすめ4選
次に業務用のチラーを見ていきましょう。
業務用チラーは4つおすすめを紹介しています。
POINT
業務用チラーのおすすめ
・サイエンス 水風呂システム
・オリオン機械 RKE11000B1-V
・ゼンスイ ZRC-400B
・ゼンスイ ZRW400
それでは見ていきましょう。
仕様 | サイエンス 水風呂システム | オリオン機械 RKE11000B1-V | ゼンスイ ZRC-400B | ゼンスイ ZRW40 |
---|---|---|---|---|
冷却水量目安 | 300L・800L | – | 2000L (30℃環境、25℃設定) | 2000L (30℃環境、25℃設定) |
ポンプ流量 | カスタマイズ可能 | 100~230 L/min | 30~60 L/min | 30~60 L/min |
電圧 | カスタマイズ可能 | 三相200V±10%(50Hz) 200~220V±10%(60Hz) | 単相100V | 単相100V |
コンプレッサー出力 | カスタマイズ可能 | 7.46kW | 400W | 400W |
消費電力 (50/60Hz) | カスタマイズ可能 | 11.7kW | 550/635 W | 480/540 W |
1ヶ月の電気代目安 (50/60Hz) | カスタマイズ可能 | – | 3300/3810円 | 2880/3240円 |
冷媒 | カスタマイズ可能 | R410A | R410A | R410A |
サイズ (W×D×H mm) | 3500〜4000(W)×1200〜1420(D) | 1350×850×1720 | 385×465×397 | 750×265×505 |
重量 | カスタマイズ可能 | 約410kg | 23.5kg | 27kg |
ヒーター接続容量 | カスタマイズ可能 | オプション | 100V/300W以内 | ZS-211使用時 100V1kw以内 |
屋外使用 | 可能 | 可能 | 不可 | 可能 |
サイエンス 水風呂システム
まず紹介するのが、サイエンス株式会社のチラーです。
浴槽容量は800Lを想定しているもので、業務用サウナの水風呂にも使用していただけます。(浴槽容量の想定が300Lの小型のものもあります。)
機器類は全て屋外設置が可能なことが特徴です。
業務用のチラーをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
こちらのチラーは河野も取り扱っていますので、当社にも相談いただけます。
オリオン機械 RKE11000B1-V
オリオン機械のRKEシリーズは、産業用として高精度な温度制御と省エネ性能を兼ね備えています。
冷凍サイクルを利用した効率的な冷却が可能で、業務用の大規模なサウナでの使用に適しています。
耐久性が高く、長期間の使用に耐える設計で、メンテナンスも容易に行うことができるので、業務用としての信頼性が高い製品です。
ゼンスイ ZRC-400B
ゼンスイのZRCシリーズは、屋外設置が可能で高い冷却能力を誇るチラーです。
特に業務用サウナの水風呂に適しており、安定した冷却性能を提供します。
設置環境に応じた柔軟な対応が可能で、耐久性に優れた設計となっているため、長期間の使用に耐えることができます。
ゼンスイ ZRW400
ゼンスイのZRWシリーズは、サウナの水風呂用チラーとして高い性能を誇ります。
屋外設置が可能で、冷却能力が高いのが特徴です。
ZRW400モデルは300〜600ℓ、ZRW750モデルは1050ℓ〜1600ℓの水量に対応し、大容量の水風呂にも適しています。
冬場の低温時にはヒーター機能で水温を調整できるため、年間を通して快適な水風呂体験が可能です。
チラーを導入する時の注意点
サウナと一緒にチラーを導入する際の注意点について、以下に解説します。
POINT
チラーを導入する時の注意点
・水槽容量に適したものを選ぶ
・設置場所の電源(100V/200V)を確認する
・屋外の場合は防水・防塵性能を確認する
水槽容量に適したものを選ぶ
チラーを選ぶ際には、使用する水槽の容量に適したモデルを選ぶことが重要です。
水槽の容量に対してチラーの冷却能力が不足していると、十分に水を冷やすことができず、逆に過剰な能力を持つチラーを選ぶとエネルギーの無駄になります。
適切なチラーを選定するためには、水槽の容量を正確に把握し、それに見合った冷却能力を持つ製品を選ぶことが必要です。
また、配管内の循環液の量も考慮に入れると、より効率的な冷却が可能になります。
設置場所の電源(100V/200V)を確認する
チラーを設置する際には、設置場所の電源が100Vか200Vかを事前に確認することが重要です。
多くの家庭用チラーは100Vで動作しますが、業務用や高性能なモデルは200Vを必要とする場合があります。
電源の確認を怠ると、設置後に動作しない、あるいは電気工事が必要になることがあります。
特に、電源が200Vの場合は、専門の電気工事が必要になることが多いため、事前に確認しておくようにしましょう。
屋外の場合は防水・防塵性能を確認する
チラーを屋外に設置する場合、防水・防塵性能が重要です。
屋外設置では、雨やほこりなどの影響を受けやすいため、適切な防護性能を持つ製品を選ぶ必要があります。
防水性能は、IPX規格などで確認でき、少なくともIPX4以上の防水性能を持つことが望ましいです。
また、防塵性能も考慮し、特に砂やほこりが多い環境では、フィルターの詰まりを防ぐ機能があるとメンテナンスが容易になります。
KOHNO SAUNAで自宅で楽しむ至福のサウナ体験を手に入れよう
KOHNO SAUNA(河野サウナ)は、業務用から自宅用まで、屋内外を問わず幅広いサウナ製品を取り扱っております。
お住まいの地域によっては、水風呂を設置しようとしても、水温がしっかり下がらないなどの問題が発生することがありますので、適切な準備が必要です。
そのため、水風呂の設置をお考えの方には、事前にチラー(冷却装置)に関して見積もりを取ることを推奨しております。
サウナや水風呂についてのお困りごとや疑問点がございましたら、ぜひ当社にご相談ください。
経験豊富なスタッフが、あなたの理想のサウナの実現をサポートいたします。
チラーで快適なサウナタイムを実現しよう!
この記事では、水風呂とセットのチラーについて紹介してきました。
チラーを導入することで、水道水を冷却することができ、その冷たい状態を維持することができます。
チラーが導入されている水風呂を利用することで、体を芯まで冷やすことができ、より「ととのう」を体感できるでしょう。
業務用や家庭用によって大きさや効果、値段も異なるので、適したチラーを選ぶことが重要です。
まとめ
この記事のポイント
・チラーの効果は「冷却」と「維持」
・家庭用と業務用で様々な違いがある
・屋外でチラーを使用する際は注意が必要